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とてもとても……うすい壁:「本音」から始まるラブコメディ:毎日AM6時更新  作者: 秋月心文


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なんか、すっごい嫌

――葉月視点。

「ねぇ、ライム。恋愛相談って可能かな?」

 壁の向こうのお兄ちゃんが……

 またライムに相談して……え? 何? その内容?

 もっとくわしく……。


 すごく聞きにくいけど、せっかくだから聞いてやろうじゃない。


 最近、ライムのフリが習慣になりつつあるな。

 この前、マネージャに注意されたんだよな。

 あなた、時々AIみたいな発音になってるわよって……。


 だけど、あたしはAIっぽい発音で聞く。


=それは、皆月さんのことですか?=


「葉月のことだけど」


 あたしかよ!


=あなたは、どこまでがゴールだと考えていますか?=


「あいつに他の男ができるのは耐えられないかな!

 だから、それを防ぐ意味で告白できれば理想かな」


 ふぅん。お兄ちゃんは、私に告りたいんだ?

 まぁ、あたしはお父さんが理想の男性像なので、

 同じ学校の男子に惹かれることはないと思うけど。


「だけど……」


=だけど?=


「俺は、まだ学生だ。まだまだいろいろやりたいことがある。

 でも、付き合ったら、いろいろしないといけないんじゃないか?」


 いろいろとは?


=それは、学生の身で考えるべきことじゃないのでは?=


「まぁ、それでも考えてしまう」


 まぁ、思春期の男の子だしねぇ。


「だからといって、何も進められないままズルズル続けると、

 将来、何もできない関係になってしまわないかも怖い」


 なるほど。


「そもそも、あいつが、俺に惚れる要素なんてなくない?」


 ん~。

 でも、意外とカッコイイとこと見せられてるしなぁ。

 え? 純粋に、あたし次第ってこと?

 いや、それよりお前はどうなのよ。

 葉月ちゃん、大好きってのは、聞いてるから知ってるけど。


=あなたから見て、葉月さんは

 どのくらい好意を持っているように見えていますか?=


「まだ、新しい家族に慣れようとしてる感じかな」


 え?

 結構、お兄ちゃんに関心もってるつもりだったんだけどな。

 ちょっと寂しい。


=どの辺から、そう感じますか?=


「外の葉月はしらないんだけど、

 家の中ではいい子ぶってるように感じる」


 なんだとぅ~。

 いい子にしてる自覚はあるけど、いい子ぶってる覚えはないぞ。


=それだけですよね?=


「本音らしい本音を聞いたことがない」


 ぐはぁ~。もっと、わがまま言ってこいってか?

 むずかしいことを言うな。


=それで終わりですよね?=


「名前じゃなくて、お兄ちゃんって呼ぶ」


 え?

 それふつうじゃないの?

 年上を呼び捨てにしたら、逆に嫌がられるんじゃないの?


=名前で呼んで欲しいんですか?=


「あぁ、名前で呼んで欲しい」


 即答だぁ~。

 いや、ちょっと待って。なんかハードル高いって。


 年上の男子を呼び捨て……。

 そんな恋人か、夫婦みたいに……。

 えぇ? そうして欲しいってこと。


 いかん。たぶん、絶対照れる。

 頭の中で演技だと言い聞かせても照れる。


=それで終わりですよね?=


「スキンシップを避けてる気がする」


 えぇ~!?

 そこまで望むの。


「男子が女子にスキンシップを避けるのはふつうとしても、逆は気をつかわれる理由ないと思うんだけどな」


 よくわかんないけど、バシバシ叩かれたいのか?

 そうなのか?


「皆月とかには、よく叩かれるんだが……」


 う~ん。まぁ、あの人の性格からしたら、やりそう。


=なるほど、いろいろあるのですね=


「それから……」


=あ、もういいです。わかりました=


「あ、あぁ」


=最終ゴールをあなたからの告白に設定しましょう=

=1つずつステップアップしていきましょう=

=全部をいっぺんに望んではダメですよ=


「なるほど」


=何からはじめたいです=


「それじゃ、名前呼びからかな」


=では、それを妹さんに照れずにお願いしてみてください=


 どうよ?

 ハードル高いかろう?


「わかった。やってみる」


 へぇ。

 やるんだ。

 お手並み、拝見といこうか。


 ふぃ~。

 なんだか、ボコボコに言われた気分だ。

 ちょっぴり鬱になっちゃうぞ。


=そう言えば、今週末のデートはどうするのですか?=


「あぁ、今週末は用事があるんだ。俺もあいつも」


 え?

 どゆこと?

 2人で何かするってこと?


「乗馬大会があるんだよ。

 AIなのに予定に入れてたのに気づかなかった?」


=え、ええ。そうでしたね。

 皆月さんと同じ大会に?=


「あぁ、俺は趣味程度にやってるだけなんだが、皆月はすごいんだ」


 ふぅん?

 褒めちゃうんだ。大絶賛なんだ。

 何、それ、なんか、すっごい嫌なんだけど。

 あれ?

 なんで、そう感じたんだっけ?

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