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幕間 Exionヒストリー

     ◆     ◆     ◆



>>ARCHIVE FILE:

>>2177-Exion-HISTORY

>>我々はもっと速く、もっと強く作れた。

>>だがそれは、人間を弾として扱う兵器になっただろう。

>>第一世代型戦術強化兵装(パワードスーツ)開発主任

>>エリオット・V・ランバート / Elliot V. Lambert



 Exion(エクシオン)の歴史は、西暦二一四〇年に始まる。

 E.U.U(地球統合連合)の工作員カイ・アーディンがその命と引き換えに送信したデータ。そこには人間の半分という|反応時間《Reaction Time》を持つVireth(ヴィレス)の設計・培養データが収められていた。


 対抗する兵器を設計せよ。


 構想から第一世代の配備までに許された時間は、わずか五年。

 しかし、設計者たちを縛ったものは時間だけではない。

 E.U.U(地球統合連合)が掲げる憲章――そこに定められた、倫理・記録・生存。


 人間を守るための清廉な憲章は、人間を殺すことだけに最適化された怪物を仮想敵(オップフォー)としたとき、設計者たちにとって最大の制約となった。


 さらに、当時ELOA(エロア)システムは小型化に成功していたものの、軍事転用に対する社会的合意は得られなかった。

 物理法則、火星環境、そして倫理条約。


 それらの制約の中で彼らが導き出した解が、神経接続を用いた戦術強化兵装(パワードスーツ)である。

 タクティカル・メモリー・リコンストラクター――TMR。

 ATHENAの演算による予測を借り、一秒先の戦場を先読みする。それによって人間をVireth(ヴィレス)と同じ土俵に立たせるというのがコンセプトだった。


 あらゆる制約を抱えたまま完成した機体は、全高三メートル、全重五トン超という常識(ケタ)外れの巨体となった。


 限られた状況下で、人類が地上戦においてVireth(ヴィレス)へ突きつけることのできた、唯一にして脆弱な対抗兵器。

 それは、パイロットを「何があっても生きて帰す」と誓った設計者と軍の執念、倍増した整備負荷を引き受けた技術者や整備兵の汗、そして前線に散ったパイロットたちが遺した戦闘データと血の上に組み上げられた。


 それが――


 第一世代戦術強化兵装(パワードスーツ)GENESIS型である。



     ◆     ◆     ◆

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