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幕間 救世主誕生③
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――ガン・ドラ川。人類連合中央戦線。
「西では〈天弓〉率いる西連邦軍が押し込まれ、東では〈皇剣〉率いる東皇国軍も後退を続けています」
傍らの兵が報告する。
中央も戦線を維持するのが精一杯だ。
「この戦争は勝てますか」
大魔導に問いかけると、しばらく返事はなかった。
「勇者はいない。新たな英雄も五人だけ。……おそらく、我々は負けるでしょう」
大魔導の言葉を受け、血煙に霞む戦場へ目を向けた。かつて魔族を退けた〈人魔大戦〉には勇者がいた。
もしかすると、勇者は象徴ではなく、勝利の条件なのではないか。この世界のどこかに、勇者がいるのだとしたら。
◇
刃が胸を貫いた。
膝をつき、血に濡れた地面へ倒れる。意識が薄れていく。
どこだ。
何を見落とした。
目を開けると、煤けた天井が見えた。
産婆が不安そうな顔でこちらを覗き込む。
「この子……」
――また、これか。
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