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幕間 救世主誕生③

     ◆     ◆     ◆



 ――ガン・ドラ川。人類連合中央戦線。


「西では〈天弓〉率いる西連邦(ウェスラ)軍が押し込まれ、東では〈皇剣〉率いる東皇国(エストラ)軍も後退を続けています」


 傍らの兵が報告する。

 中央も戦線を維持するのが精一杯だ。


「この戦争は勝てますか」


 大魔導に問いかけると、しばらく返事はなかった。


「勇者はいない。新たな英雄も五人だけ。……おそらく、我々は負けるでしょう」


 大魔導の言葉を受け、血煙に霞む戦場へ目を向けた。かつて魔族を退けた〈人魔大戦〉には勇者がいた。

 もしかすると、勇者は象徴ではなく、勝利の条件なのではないか。この世界のどこかに、勇者がいるのだとしたら。


     ◇


 刃が胸を貫いた。

 膝をつき、血に濡れた地面へ倒れる。意識が薄れていく。

 どこだ。

 何を見落とした。


 目を開けると、煤けた天井が見えた。

 産婆が不安そうな顔でこちらを覗き込む。


「この子……」


 ――また、これか。



     ◆     ◆     ◆

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