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幕間 救世主誕生②
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眩しい。寒い。うるさい。身体が重くて、指一本まともに動かせない。
ぼやけた視界の向こうに、煤けた天井が見えた。
産婆は赤子を抱え、不安そうな顔でこちらを覗き込んでいる。
「この子……」
声は聞こえるし、意味も分かる。
なのに喉が思うように動かない。
「あらやだ。全然泣かないわ」
泣いたほうがいいのだろうか。
そう考えていると、別の声がした。
「顔を、見せて」
身体が運ばれ、視界の端に寝台に横たわる女の顔が見えた。優しい眼差し。汗で髪を額に張りつかせてひどく疲れた顔をしている。
「はじめまして。私がお母さんよ」
頬に温かな指先が触れると、胸の奥から何かが込み上げた。
「――ぁ、あ……!」
次の瞬間には喉いっぱいに泣き叫んだ。止めようとしても止まらない。勝手に顔が歪だ、声が漏れる。
女――母親が、目尻を濡らしながら笑った。
「まあ。そんなに嫌だった?」
違う。
けれど、口から出るのは泣き声だけだった。
――また、ここからか。
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