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第81話 笑顔のプレゼント

 凪が子どもたちへ勇気を届けた後。


 プレイルームには、再び明るい笑い声が戻っていた。


「次は何して遊ぶ?」


 凪が笑顔で尋ねると、


「折り紙!」


「絵本!」


「お絵描きしたい!」


 子どもたちが元気よく手を挙げる。


「よし!」


「順番にな!」


 凪が笑う。


 栞は机の上へ色とりどりの折り紙を広げた。


「一緒に折り紙をしましょうか」


「何作る?」


「うさぎ!」


「お花!」


「飛行機!」


 次々と飛び出すリクエストに、栞は優しく微笑む。


「全部作りましょう」


「やったー!」


 子どもたちの目が輝いた。


 栞の指先で折り紙が少しずつ形を変えていく。


 花。


 うさぎ。


 鶴。


 出来上がるたびに、子どもたちから歓声が上がった。


「すごい!」


「かわいい!」


「私も作ってみる!」


 栞は一人ひとりの手元を見ながら、丁寧に折り方を教えていく。


「そうです」


「あと少しですよ」


「できた!」


「上手です」


 完成した折り紙を手に、子どもたちは嬉しそうに笑った。


 一方、正義は絵本を手にしていた。


「読んでくれる?」


 一人の男の子が尋ねる。


 正義は少し照れながら頷いた。


「僕でよければ」


 椅子へ座り、絵本を開く。


 少し緊張しながら読み始めた物語だったが、ページをめくるたびに子どもたちは夢中になっていく。


「その時――」


 正義が読み進めると、


「わあ!」


「どうなるの?」


 子どもたちは目を輝かせながら聞き入っていた。


 読み終えると、大きな拍手が起こる。


「もう一冊!」


「次も読んで!」


 正義は困ったように笑う。


「そんなにですか」


「お願い!」


 何人もの子どもたちが期待の眼差しを向ける。


 その笑顔に負け、正義はもう一冊の絵本を手に取った。


「分かりました」


「じゃあ、次のお話を読みます」


 その様子を見ていた凪が笑う。


「正義、大人気やん」


 栞も嬉しそうに微笑んだ。


「子どもたち、すっかり正義君のファンですね」


「そんな大げさな……」


 照れながらも、正義の表情はどこか嬉しそうだった。


 プレイルームには、笑い声が絶えない。


 病気のことも。


 治療のことも。


 入院生活のことも。


 ほんのひとときだけ忘れられる時間。


 その時間は、子どもたちにとってかけがえのない贈り物だった。


 そして三人にとってもまた――。


 子どもたちの笑顔こそが、この日一番のプレゼントだった。

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