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同じクラスのお嬢様が、冴えない僕に構ってくるんだけどどうしたらいい?  作者: Atelier Lotus


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第141話 三人だから

 九月上旬。


 放課後。


 三人はいつものように肩を並べ、校門を出た。


 夕焼けが街を優しく染めている。


 しばらく歩いたあと、凪がぽつりと呟いた。


「今年の夏休み……」


「ほんま、いろいろあったなぁ」


 正義は空を見上げ、小さく笑う。


「ああ」


「本当にいろいろあった」


 地域清掃。


 保育園ボランティア。


 老人ホーム慰問。


 炊き出し。


 夏祭り。


 査問会議。


 市民功労賞。


 一つひとつの出来事が、昨日のことのように思い出される。


 栞は優しく微笑んだ。


「大変なことも、たくさんありました」


「でも」


「全部、大切な思い出です」


 凪は大きく頷く。


「うん!」


「めっちゃ楽しかった!」


 正義も自然と笑みを浮かべる。


「僕も」


「この夏は、一生忘れないと思う」


 三人は顔を見合わせる。


 自然と笑みがこぼれた。


 エンジェル部へ入った日。


 ぎこちなかった三人。


 最初は噛み合わなかった会話も、今では当たり前になっている。


 いつの間にか。


 三人は、かけがえのない仲間になっていた。


 栞が少し前を歩きながら振り返る。


「さあ」


「帰りましょう」


 凪は元気よく拳を握る。


「明日もエンジェル部、頑張るで!」


 正義は穏やかに頷いた。


「ああ」


「また明日」


 三人は肩を並べ、夕焼けの帰り道を歩いていく。


 笑いあり。


 涙あり。


 悩みも、喜びも分かち合った夏。


 そのすべてが、三人を少しだけ成長させてくれた。


 三人なら、きっと大丈夫。


 夕日に照らされた三つの影は、未来へ向かってゆっくりと伸びていた。

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