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同じクラスのお嬢様が、冴えない僕に構ってくるんだけどどうしたらいい?  作者: Atelier Lotus


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第127話 第二回査問会議

 第二回査問会議当日。


 放課後。


 生徒会室には、前回と同じようにロの字型に机が並べられ、その上には人数分の資料が整然と置かれていた。


 張り詰めた空気の中、全員が静かに席へ着く。


 出席者は前回と同じだった。


 エンジェル部。


 桜木正義。


 竜胆栞。


 日向夏凪。


 エンジェル部顧問・松田茂。


 顧問代理・シスター小林。


 向かい側には、生徒会役員。


 生徒会長・橘悠斗。


 副会長・柊誠。


 会計・榊美咲。


 書記・藤宮葵。


 そして最後方には、校長・梅原恒一と理事長・柏木恒一が静かに着席していた。


 全員が席に着いたことを確認すると、副会長の柊がゆっくりと立ち上がる。


「それでは、第二回エンジェル部査問会議を始めます」


 一礼。


 全員が静かに頭を下げた。


 柊は資料を開く。


「前回の査問会議では、三つの課題を提示しました」


「第一に、顧問不在」


「第二に、活動実績」


「第三に、部活動予算」


「本日は、それらの改善状況について確認いたします」


 会議室が静まり返る。


 柊は松田へ視線を向けた。


「それでは、松田先生。説明をお願いします」


 松田は静かに立ち上がる。


「はい」


 一礼すると、資料を手に取った。


「まず、顧問問題についてです」


「前回は担任教師という立場で出席していましたが、査問会議後、校長先生ならびに理事長の承認を受け、野球部との兼任という形で正式にエンジェル部顧問へ就任いたしました」


 資料には、顧問就任届の写しが添付されている。


 副会長の柊は資料へ目を通し、松田へ視線を向けた。


「松田先生、一点確認させてください」


「はい」


「野球部との兼任になりますが、両部活動の顧問として責任を果たすことは可能でしょうか」


 松田は迷うことなく答えた。


「可能です」


「野球部も、エンジェル部も、私が受け持つ大切な生徒です」


「どちらか一方を疎かにすることなく、教師として最後まで責任を持って指導いたします」


 柊は校長と理事長へ視線を向ける。


「校長先生、理事長。この顧問就任について問題ありませんか」


 校長の梅原は穏やかに頷いた。


「ありません」


「兼任は異例ではありますが、松田先生の覚悟を受け、私が承認しました」


 理事長の柏木も続ける。


「私も承認しております」


「松田先生なら、その責任を十分果たしてくださると判断しました」


 柊は小さく頷く。


「確認しました」


「顧問問題については、解決済みと判断します」


 正義は静かに拳を握る。


 一つ目の課題は乗り越えた。


 柊は続いて資料をめくった。


「次に、部活動予算について説明をお願いします」


 松田は『地域貢献活動委託事業』の原本を机の上へ置いた。


「この書類には、本校が地域貢献活動を正式にエンジェル部へ委託していたことが記されています」


「また、『本活動に必要な経費については学校予算より支出するものとする』と明記されています」


「続いて、前年度決算書をご確認ください」


 松田は栞へ視線を向けた。


「竜胆」


「はい」


 栞は静かに立ち上がり、決算書を開く。


「平成二十五年度エンジェル部決算書です」


「前年度予算は、三十七万五百三十二円でした」


「支出内訳をご報告いたします」


────────────────────────


   平成二十五年度 エンジェル部決算書


【前年度予算】


           370,532円


────────────────────────


【支出内訳】


地域清掃活動用品費     52,300円


保育園ボランティア教材費  38,400円


老人ホーム慰問活動費    46,800円


炊き出し事業費       97,500円


病院慰問教材費       29,600円


夏祭り運営協力費      64,900円


災害支援物資購入費     26,200円


交通費・事務消耗品費    14,832円


────────────────────────


支出合計         370,532円


差引残高              0円


────────────────────────


「以上です」


 栞は一礼し、席へ着いた。


 副会長の柊は会計の榊へ視線を向ける。


「榊さん、確認をお願いします」


「はい」


 榊は委託事業書類、前年度決算書、出納帳、領収書の写しを一枚ずつ照合していく。


 静かな時間が流れた。


 やがて榊は顔を上げる。


「確認しました」


「委託事業書類、前年度決算書、出納帳、領収書の内容はすべて一致しています」


「支出はいずれも委託事業の目的に沿ったものであり、不適切な予算執行は認められません」


 柊は校長と理事長へ視線を向ける。


「校長先生、理事長。この内容に間違いありませんか」


 校長の梅原は静かに頷いた。


「ありません」


「本校が正式に委託した事業であり、予算執行も適正です」


 理事長の柏木も続ける。


「私も問題ないと判断します」


「前年度予算三十七万五百三十二円は、委託事業に基づき適正に執行されています」


 柊は資料を閉じた。


「確認しました」


「部活動予算については、解決済みと判断します」


 正義は小さく息を吐く。


 顧問問題。


 予算問題。


 二つの課題は乗り越えた。


 しかし――。


 柊は静かに最後の資料を手に取る。


「残る議題は一つです」


「活動実績について審議を行います」


 その一言で、会議室の空気は再び張り詰めた。

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