第118話 生徒会長
会議室は静まり返っていた。
生徒会。
教師。
教会。
そして、エンジェル部。
それぞれが自らの考えを語り尽くした。
議論は終わった。
残るのは、生徒会の結論だけだった。
重苦しい沈黙が流れる。
その時。
椅子を引く音が静かに響いた。
生徒会長・橘悠斗が、ゆっくりと立ち上がる。
会議室の全員が、その姿へ視線を向けた。
橘は静かに一礼する。
「皆さん」
「本日は、お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございました」
一呼吸置く。
「また、貴重なご意見をお聞かせいただき、心より感謝申し上げます」
穏やかな口調だった。
しかし、その声には生徒会長としての責任が滲んでいた。
橘は手元の資料を閉じる。
そして、ゆっくりと会議室を見渡した。
正義。
栞。
凪。
松田。
シスター小林。
校長・梅原。
理事長・柏木。
一人ひとりの表情を確かめるように目を向ける。
やがて、静かに口を開いた。
「生徒会は、本日の議論を踏まえ、慎重に協議を行いました」
会議室に緊張が走る。
正義は無意識に拳を握り締める。
栞は胸の前でそっと両手を重ねた。
凪も唾を飲み込み、真っ直ぐ生徒会長を見つめる。
橘は静かに息を吸った。
「それでは――」
「これより、生徒会としての結論を申し上げます」
会議室の空気が張り詰める。
正義。
栞。
凪。
三人は固唾を呑み、その言葉を待った。




