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第111話 査問会議

 二学期始業式。


 長い夏休みを終え、生徒たちが体育館へ集まっていた。


 校長先生の挨拶。


 夏休みに活躍した部活動の表彰。


 二学期の学校行事についての説明。


 始業式は、いつも通り滞りなく進んでいく。


 しかし。


 正義の胸は、どこか落ち着かなかった。


 昨日。


 松田先生から告げられた言葉が、頭から離れない。


『明日、エンジェル部に関する査問会議が開かれる』


(松田先生の言っていたこと……)


(本当だったのか)


 正義は小さく息を吐く。


 隣を見ると、栞も真剣な表情で壇上を見つめていた。


 凪も腕を組み、珍しく口数が少ない。


 三人とも、これから何が起こるのか分からなかった。


 やがて。


「以上で、二学期始業式を終了します」


 校長先生が一礼する。


 生徒たちが教室へ戻ろうとした、その時だった。


「皆さん、少しお時間をいただきます」


 一人の生徒が壇上へ上がる。


 生徒会長だった。


 体育館が静まり返る。


 生徒会長は静かに書類を開く。


「生徒会規約に基づき、本日放課後、エンジェル部に対する査問会議を開催します」


 一瞬。


 体育館中がざわめいた。


「査問会議?」


「エンジェル部が?」


「何か問題でもあったのか?」


 あちこちから戸惑いの声が上がる。


 正義は静かに目を閉じる。


(やっぱり……。)


 松田先生の話は、本当だった。


 栞も小さく息を呑む。


 凪は唇をぎゅっと噛み締めた。


 生徒会長は続ける。


「関係者は、放課後、生徒会室へ集合してください」


「以上です」


 一礼すると、生徒会長は壇上を降りる。


 体育館は再びざわめきに包まれた。


 夏休み。


 三人で積み重ねてきた活動。


 その価値が、これから問われようとしている。


 エンジェル部創設以来、最大の試練が、ついに幕を開けた。

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