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まだ恋とは呼べない距離で  作者: rio
大学生編
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第32.5話 延期

誠が家に帰ると、部屋では昌大が待っていた。


「なんだ、来てたのか」


「呼び出したのは誠だろ!」


「あぁ、そっか」


誠は思い出したように言って、いたずらっぽく笑う。


「おいっ! ……で、理緒ちゃんは? 今日は呼んでないの?」


「いや、友達とメシ食ってた」


「そっか……じゃあ来れないね」


「だから、一緒にメシ食ってきた」


「なんでそうなるんだよ! だから遅かったのか!」


「そういうこと」


「どういうことだよ……。じゃあ、食べてないの僕だけかよ」


「そうだな」


「……はぁ」


昌大は大げさにため息をついた。


「じゃあ、一回家帰ってメシ食べてくるわ」


「今日はナシでいいや」


「え?」


「戻って来なくていいぞ」


「僕、お前のこと一時間以上待ってたんだぞ?」


「悪い悪い」


誠態度は全く悪そうではない。


昌大は玄関で靴を履きながら、ふと振り返った。


「……誠、お前さ」


「ん?」


「それ、もう結構好きだと思うよ」


「は?」


誠は眉を寄せる。


昌大は、にやっと笑った。


「いや、いいや」


そう言って、そのまま部屋を出ていく。


玄関の扉が閉まり、部屋が静かになった。

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