表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

18

「叔父様」


「どうしたんだい?ヴィヴィアン」


「どこまで考えていましたの?」


「ヴィヴィアンを嫁がせれば攻め入らないと言われれば簡単に嫁がせるというくらいまでは考えていたよ」


どの国も王女は政略の駒に使うことが多い。


国を守るためにヴィヴィアンを嫁がせると予測していた。


「亡き王妃そっくりの令嬢が出てきたのは想定外だったよ」


「そうでございますか」


「まぁ王はひとつ忘れているみたいだけどね」


「忘れている?」


ヴィヴィアンとの婚約の話は先ほど無事締結した。


だが、そのことで安心してしまい重要なことを忘れていた。


「この国の法律では、継承権を剥奪されずに他国に嫁いだ者の子は継承権を自動的に持つということを」


「あっ」


「かの国の次期王と結婚することで女王になることはない。もし、王と令嬢との間に子ができずともヴィヴィアンの子が継ぐことができる。おそらく戦争をせずに、この国を手に入れることができると考えていたのだろうね」


「わたくしは女王になりたくはありませんが、この国が蹂躙されることを望んでいるわけではありませんわ」


「それは私もだよ」


五年前に宣戦布告の書状が届いたとき、ヴィヴィアンは思いとどまってくれるようにと手紙を送った。


その気持ちを汲んで戦争を仄めかしながら待つという選択をしてくれた。


王が判断をすることを祈って。


「まぁ兄上に子はすぐにできるのではないか」


「宰相が一服盛ってくださるそうですからね」


「さて、明日には大使として出国しなければいけないからね。次に会うのは結婚式かな?」


「そのときは父親役をお願いしますわ。叔父様」


「それは謹んでお断りするよ。同い年の娘を持った覚えはないからね」


今頃は宰相が亡き王妃そっくりの令嬢を側室にするために奔走している。


これが上手くいかなければ攻め入られてしまうかもしれないので国を挙げての大仕事になる。


ゆっくりと夜は更けていくが一人だけ状況が見えずに右往左往している者がいた。


「えっ?ちょっと待ってよ。私が側室?」


「はい、お嬢様」


「お父様は何て?」


「よくよく王に奉仕するようにとのことです。今後は公爵家に養子に入り、王の側室になられます」


「お父様が娼婦に産ませた子なのに側室とかいいの?」


「王家の王家による王家のための婚活パーティに参加されていましたから問題ございません」


今回ばかりは出自がどうであれ側室となることは決まっている。


「これは玉の輿よね」


「そうでございますね」


「でもさ、お父様より年上とかあり得ないんだけど、よし、これは何としてでも離縁してもらうわ」


離縁してもらうために問題を起こすが、どれも成功しない。


それはまた別のお話。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆう様
お話の種、育ててみませんか?
ここからお話の種をいただき書かせていただきました
加瀬優妃様
埋もれた空家を蘇らせろ!
「空家をなくそう」実施要項
参加プロジェクトです
ご興味のある方は一度、読んでみてください
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ