40 続きからはじめる(1568年3月7日 織田家)【上洛。そしてイベント発動】
この物語。
狙ったわけではありませんが、何気に10話ごとの区切りで山場が来ています。
10話目は、誠人の初参加。
20話目は、このゲームの仕様のおおよそが判明。
30話目は、現世での徳姫との出会い。
そしてこの40話目。今回もこの物語の分水嶺の一つになりました。
『1568年3月7日 織田家――』
織田軍――京・本能寺
信長(真紀)は本能寺に居た。
2月12日、三好勢との戦いの翌日には美濃を出立。
南近江を通りそのまま京の都まで、なんと一度も戦闘は起きなかった。
完全に拍子抜けである。
ただ、南近江の観音寺城の治安はすごぶる悪かったらしく、ウインドウ表示を呼び出して見たところ
―民衆不満度:85
(こりゃあかん。一揆が起きてまう)
なぜか関西弁でそう思った私は、木下秀吉に命じてお金と米を配った。
すると。
―民衆不満度:38
なんとか落ち着いた。
それ以外はイベントも無く、時折『▷』と『▷▷|』を使って時短しながら街道を進んで行った。
あ、そういえば。
上洛に際して尾張から呼び寄せた、新たな武将が一気に4人増えたのだった。
(だんだんと後書きがながーーーくなってきていますが、平にご容赦を)
―氏名:村井貞勝(48)
―統率:41
―武力:33
―知力:72
―政治:90
―魅力:84
完全に内政特化型。超優秀。
―氏名:木下秀長(28)
―統率:70
―武力:61
―知力:75
―政治:83
―魅力:87
ご存知、秀吉の弟。政治と魅力は秀吉以上。
うん、優秀。
―氏名:佐々成政(32)
―統率:75
―武力:80
―知力:62
―政治:53
―魅力:71
微妙(贅沢すぎかな?)。
ただ、一軍を指揮させるだけなら十分な能力値。
―氏名:森可成(45)
―統率:75
―武力:77
―知力:68
―政治:65
―魅力:69
これまた微妙。副将なら十分か。
そんなこんなで、1568年2月24日には何事もなく入京したのであった。
京に入ると義昭公はかの有名な本圀寺へ。
私はこれまた有名な本能寺を定宿とした。
本能寺――
これ、本当に寺?というぐらい広い。
建物もだけど敷地がめちゃくちゃ広かった。
普段、ごく普通の1LDKに住んでいる庶民としては、落ち着かないことこの上ない。
これが城だと違うのが不思議。
景色がいいからなのかな。
なので、さっさと美濃に引き返そうかなー、なんて考えていたその時。
視界の隅に表示が出た。
赤い文字。
―イベント更新
続いて。
―徳姫イベント
―京都にて発動
……すっかり忘れていた。
すると、またもや表示が変わった。
―イベントを進めるには妙覚寺へ移動してください
妙覚寺。
日蓮宗の有力寺院で史実でも信長と関係が深かった。
でも、その妙覚寺と徳姫が結びつかない。
まあでも一択だよね。
行くしかない。
「失礼いたします」
来たのは信広(誠人)。
部屋に入るなり聞いてきた。
「見たよね?行く?」
「もちろん」
即答。
こうして誠人と私は、ひっそりと妙覚寺へ向かった。
ちなみに供回りは池田恒興と近習10名のみとした。
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――京・妙覚寺
これまたどでかい寺だった。
この時代の寺はどんだけ土地とお金持ってるんだろうか……。
恒興と近習10名を門前に待たせて、誠人と門をくぐり中に入ると、そこには驚くべき人物が居た。
――徳川家康。
そして隣には、徳姫と本多忠勝、そして本多正信。
こちらにはまだ気付いていなかった。
私は思わず足を止めた。
「……なんで、ここに」
誠人も同じく小声で呟く。
「完全に“待ってた”配置だよな」
徳姫が、こちらに気付いた。
ゆっくりと振り向く。
そして――
にこりと、あのレストランで見せた笑顔を浮かべた。
背筋がぞくりとする。
徳姫が一人でこちらにやってくる。
目の前に立ち止まると、言った。
「お待ちしておりました、姫様」
―やっぱり。
私は一歩、前に出た。
「徳姫……でいいんだよね」
徳姫は軽く頭を下げる。
「はい。ですが――」
少しだけ間を置いて、
「"それだけ"ではございませぬ」
その時だった。
「信長殿」
低く、落ち着いた声。
家康がこちらを振り向きやってきた。
「此度の御上洛、まことにおめでとうございます」
頭を下げて言った。
「いやいや、運が良かっただけのこと。
して家康殿、どうしてここに……?」
「三好勢を打ち破り、御上洛されたと聞いていてもたっても居られませんでな。
先触れ(使者)も出さずに申し訳ございませぬ。
五徳姫も久方ぶりにお父上にお会いしたいと申されており。
お祝いがてら急ぎ参ったものにございます」
「左様か……」
そう言うと
「おお、これは……不躾に失礼いたしました。
父娘で話したいこともござろう。
あちらでお待ちしておりまする。のちほど」
家康はそう言うと、庭先の方に歩いて行った。
さて。
私は再び徳姫を見る。
「あなた……何者?」
徳姫は、大人びた雰囲気でほんの少しだけ困ったように笑った。
「申し上げたいのは山々ですが……この世界には"制約"がございます」
「制約?」
誠人が眉をひそめる。
徳姫は頷いた。
「はい。簡単に言えば――」
静かに言う。
「"真実は、条件を満たした者にしか開示されない"仕組みでございます」
ゲーム的すぎる。
でも――違う。
どこかもっと、"現実寄り"の重さがあった。
「条件って何?」
私は問う。
徳姫はこちらをじっと見つめた。
そして
「今は言えません」
続けて
「ただ、このまま進むとこの世界は"次の段階"へ移行いたします」
その言葉に、背筋が寒くなる。
「次の段階って……何が起きるの」
徳姫はすぐには答えなかった。
「……それもまた、今は言えません」
風が吹いた。
庭の木々が揺れる。
現実とゲームの境界がさらに曖昧に感じられてきた。
「ただ、今回発動したイベントフラグは、まさしく私と会うこと」
徳姫が強い眼差しで見つめる。
「今は具体的には言えません。ただ、一つ問いを」
―問い?
「このゲーム、続けますか?やめますか?」
誠人が隣で息を吞んだのが分かった。
「……このゲームは、私が作ったのよ」
目に力を入れて徳姫を見つめ返す。
「続けるにきまっているでしょう」
すると、またもや視界の隅に表示が出た。
赤い文字。
―イベント更新
―次ステップ移行準備完了
徳姫が微笑んだ。
「思った通り。さすが姫様です」
そして
「姫様。最後に一つだけ」
徳姫の表情から笑みが消えた。
「私は、姫様の味方です。
絶対にそれを忘れないでください」
そう言うと、徳姫の雰囲気が変わり幼子の表情に戻った。
「あれ……?あ……父上様!」
徳姫は、人が変わったように満面の笑みを浮かべ抱き着いてきた。
「五徳……」
よろめきながら受け止めたものの、意識は全くそこに無かった。
―何なのこれ、一体……
<1568年3月7日時点>
―歴史乖離率:8.4%
―安定化モジュール:通常出力
―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)
―管理者権限保有者:氷室真紀
織田信長(34)…統86 武63 知83 政73 魅85 【真紀】
織田信広(36)…統41 武66 知74 政69 魅80 【誠人】
柴田勝家(42)…統89 武88 知59 政69 魅84
丹羽長秀(33)…統79 武72 知80 政75 魅72
木下秀吉(31)…統75 武63 知80 政75 魅84
竹中重治(24)…統81 武34 知92 政88 魅82
林秀貞 (55)…統52 武44 知68 政72 魅57
前田利家(29)…統77 武83 知64 政43 魅72
滝川一益(43)…統79 武84 知71 政69 魅80
池田恒興(32)…統71 武73 知70 政74 魅76
村井貞勝(48)…統41 武33 知72 政90 魅84 new
木下秀長(28)…統70 武61 知75 政83 魅87 new
佐々成政(32)…統75 武80 知62 政53 魅71 new
森可成 (45)…統75 武77 知68 政65 魅69 new
足利義昭(31)…統91 武49 知93 政71 魅79 【恭祐】
明智光秀(40)…統75 武78 知81 政73 魅76
細川藤孝(34)…統72 武63 知86 政84 魅79




