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2-25 戦いの始末

遅くなってすいません。

それとみなさんのおかげで1万PV達成しました。ありがとうございます。

「みんな聞いてくれ」


 俺とノイルの戦いを終わらせたカーティラさんが舞台の上から観客に話しかける。先ほどまで騒がしかった観客達が静かになる。カーティラさんはまだ舞台の上にいた俺の隣に来て俺の肩に手を置く。


「こいつはギンジ、流れ者でこの街の住人ではないし、見てわかる通り獣人じゃない只人だ。まずはこの武闘祭に参加して武を示した勇者を称えてやってくれ」


 観客から盛大な拍手や指笛が聞こえる。少し照れくさいな。


「ありがとう。武闘祭という制限のある戦いの中ではあるがこいつの強さがまぐれじゃなかったことは先ほどの戦いを見て分かってもらえたと思う。ただギンジだってどんな戦場に行っても無傷でいられるわけじゃない。もちろん今この会場にいる者の中にもギンジを倒せる者もいるだろう。強さと言っても色んな強さがある。それを覚えていてほしい」


 その通りだ。今の俺の戦い方は相手の気の流れの干渉して相手をできるだけ無力化して倒すようにしている。全身を甲冑などで守られるとこの戦い方はできない。あと爬虫類系の獣人だとどうなるか。鱗みたな肌の上からでも気の流れを止めれるだろうか。


「武闘祭でノイルに勝てなかった者、いやノイルだけでなく武闘祭では結果が出せなかった者にも他の場所では活躍できる強さがあるかもしれない。もちろんこれは武の強さだけじゃない。料理や商売が上手いのだって立派な強さだ。この街にいると武闘祭の強さが全てのように感じることも少なくないだろう。ただそんなことはない。それぞれ自分なりの強さを探し磨いてほしいと思う」


 ウオオオオ!と観客が声を上げる。


「本来ならこの後ギンジへの挑戦者を募るところだがギンジと戦いたいと思っている者はノイルとの戦いで疲弊したギンジを倒したいわけじゃないだろう?だから本来とは違うがギンジにはここで舞台から下りてもらおうと思う。構わないな?」


 観客がパラパラと拍手で応える。


「じゃあ引き続き節末祭を楽しんでくれ」


 カーティラさんがそう締めると俺と一緒に舞台から下りる。ノイルも下りてきたので武闘祭は勝ち残りがいない状態で再開するようだ。


「カーティラさん、ありがとうございました」


 そもそも連戦させたのもこの人なので礼を言うのも変な気がするが場を納めてくれた礼を言う。


「礼を言うのは俺の方だ。武闘祭は盛り上がったし、あいつのことも気になってたからな」


 そう言ってノイルに視線を向ける。


「ノイル、お前が弱いとは言わないが世界の広さを思い知っただろう?」


 カーティラさんが話しかけるとノイルは黙って頷く。


「つまりお前もまだまだ強くなれるってことだ。なぁギンジ、ノイルはお前に一生勝てないと思うか?」

「そんなことは無いでしょう。もちろん戦い方にもよりますが今日だって初めから確実に勝てるとは思ってなかったですよ」

「そうなのか!?」


 俺の発言にノイルが反応する。


「教えてくれ!!どうすれば俺は勝てたんだ!?お前の攻撃になにかあるのは分かったが何か弱点があるのか!?」


 ノイルが俺にぐっと近づいて問い詰める。近い近い。そんなに詰め寄らないで。


「弱点を自分から言うわけないでしょ。それに俺以外にも世の中強い人はたくさんいるんですから。自分で考えて対処できるようにならないと」

「ギンジの言う通りだ。自分で考えるんだな」


 俺の返事にカーティラさんも同意する。


「そう言われても・・・そうだ、武闘祭じゃなくていい、また俺と戦ってくれないか!?」

「いやです」

「なんでだ!?いいだろ!?」

「そもそも戦うのは好きじゃないんですよ」

「そこをなんとか!」


 しつこいな。だから戦闘狂はめんどくさいんだ。


「ギンジ、どうせ暇だろ?相手してやれんか?」


 カーティラさんまで。


「だってキリがないですよ。さっきだって何回も挑んできたし。そんな時間あったらシルフと訓練しますよ」


 もちろんセレンの魔法講習と訓練もある。そこは伏せるが目線で訴える。


「それもそうか・・・そうだな。じゃあこういうのはどうだ?」


 俺がこの街をいずれ出ていくことはカーティラさんも承知だ。だからこの街に滞在している時に一回だけ今日と同じルールで俺とノイルが戦う。挑戦できるのは1回だけなのでこの権利はノイルがいつ使っても良い。(もちろん俺の手が空いている時に限るが) 俺が街を出ていくのが決まったらその日程をノイルに伝える。


 まぁ1回くらいならいいか。と俺はそれで了承した。ノイルは回数を増やしてほしいと訴えたがカーティラさんが却下した。


「さっきも言ったが勝負にもう一回なんて基本的にあり得ないんだ。今日あれだけやられたんだからちゃんと考えて一回の勝負に向けて鍛えなおしてこい。それが嫌ならこの話は無しだ」


 そう言われたノイルは少し不満そうにしながらも「分かった。それで頼む」と俺に頭を下げた。


「分かりました。俺は領主邸の方でお世話になっているので戦う日が決まったら前日までにそちらに連絡してください。カーティラさん、それでいいですか?」

「ああ、構わん」


 そうして再戦の約束をしてノイルは去っていった。まだ武闘祭に参加するのかと思っていたが今回はここまででいいとのことだ。ノイルがもう参加しないと知って他の参加者は誰が最後の勝者になるか盛り上がっている。


 俺は今日のところは疲れたのでこのまま帰ろう。そう思ってカーティラさんと共に関係者席の方に行く。


「さすがですわ!!!」

「うわっ!!」


 関係者席のところに行くとセレンが飛びつくように抱き着いてきた。避けても危ないので思わず抱き留める。


「セレン、危ないよ」

「そうですよセレンさん!何してるんですか!」

「何って勝利の抱擁ですわ!シルフさんこそそんなとこで見てないでこちらでギンジさんの勝利を祝いましょう!ギンジさん、おめでとうございます!カッコよかったですわ!」


 そう言ってセレンが抱き着いた腕に力を込める。セレン、そんなに強く抱きしめるとその色々当たってですね。はい。


「ありがとうセレン。でもさっきみたいに飛びつくのは危ないからやめておこうね」


 そう言ってセレンの肩に手を置いて体を離す。名残惜しいが仕方ない。


「そうですわね。申し訳ありません。ですがギンジさんの試合を見ていてもたってもいられなくって!素晴らしい試合でしたわ」

「セレンさん!」


 そう言ってもう一度抱き着こうとしたセレンをシルフが止める。


「でも相手のノイルさん?でしたっけ。体も大きくて動きもすごく早かったのに全然何もできてなくて、ギンジさんすごかったです」

「ほんと凄かったですわ。ギンジさんが勝つと信じていましたがあそこまで強いとは(わたくし)思っていませんでしたわ」


 まぁ普段は森の魔物を少し狩ってるくらいだからあんまり強さはわからないよね。シルフは関心するように、セレンは興奮ぎみに俺の勝負の感想を伝えてくれた。


「二人ともありがとう。二人のおかげで無事に勝てたよ」


 そう言って二人が描いてくれた左手の()()()()()を見る。二人ともそれを思いだしたのか少し顔が赤くなる。


「ギンジさんのお役に立てたのなら嬉しいですわ!そうです、祝勝会をいたしませんと。ギンジさん、お腹はすいておりませんか?」

「そうだな。確かにちょっと腹減ったかも」


 セレンが空気を変えるために話題を変えてくれる。そういえば昼食べたっきりだもんな。昼は武闘祭があるから軽めに済ませたので腹は減っていた。


「それじゃあ今日は帰ってご飯にしますか?」

「シルフはそれでいい?お祭りまだやってるけど」

「ギンジさんの戦いにハラハラしてたら私もお腹すいちゃいました」


 はにかみながらシルフが答える。それじゃあ帰ろうか。


「それでは帰ろうか。ご飯も食べたいしまずは風呂に入りたい」

「それではそういたしましょう。お父様お母様、(わたくし)たちは先に帰りますわね」


 そう言って近くにいる両親にセレンが声をかけると二人とも軽くこちらに顔を向けて手をパタパタと振っていた。帰って問題なさそうだ。


 俺とシルフとセレン、それとチルさんの4人で領主邸に戻った。


「見てたぜ兄ちゃん!強ぇな!」「俺とも今度戦ってくれよ!」「兄ちゃんかっこよかったよ!」「疲れただろ、これ飲みな!酒はだめか?」「お嬢様との関係は?」


 領主邸に戻るまでに俺は色んな人に声をかけられて大変だった。

読んでいただきありがとうございます。


ブックマークと↓の☆☆☆☆☆評価、よろしくお願いします。

していただけるとptが入り、色んな人の目に付きやすくなります。

色んな人に読んでいただけると嬉しです。


よろしくお願いします。

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