はじめてのおつかいin異世界
「おじいちゃん、私が行くよ!」
手を挙げながらにこやかに言った。
「お前、何バカなこと言うておるんじゃ、何日もかかる長旅だ。お前は女の子なんじゃぞ!途中、魔物や盗賊もおる。いやいやダメだ危険だ。」
「大丈夫、大丈夫!私の狩りの腕知ってるでしょ、それに王都にも行ってみたいし、クソ・・・いや、クラウンさんにも会ってみたいし。」
そこに隊長さんが加勢してくれた。
「王都へは私達の隊が一緒に行きます。我々は旅慣れしてますし、腕に覚えのある連中ばかりですから心配はいりませんよ。」
と、ニカッと笑う。
おじいちゃんは私と隊長さんを交互に見つめてため息をひとつ「どうかこの子をよろしくお願いします。」と言って頭を下げた。
それからは急ピッチで支度をした。と言っても私の方は、神収納にポンポンと放り込んでダミー袋に適当な物を詰め込むだけだった。
だけど、おじいちゃん達の畑の手伝いや、森の巡回は目の回る忙しさだった。
出発の前日、久しぶりに扇子さまとお筆さまを召喚。おじいちゃん用に作業用の厚手のグローブとおばあちゃん用にピンク色の日除の帽子を取り寄せた。
『ホイホイ』チャリーン〜♪
あのね、ここで耳寄り情報。あの、こっぱずかしい5・7・5必要ありませんでしたっ!壊滅的に言語力のない私が、んーんーと腕組みして考え出すのに限界がきました。開き直って単語だけ書いて強くイメージしたらハイこんなんでましたよ!
残金も少ないから頻繁には使えないけれど、ここぞという時には惜しみなく使おうと決めている。これを明日プレゼントしよう。
出発前夜の晩餐は、おじいちゃんが狩ったニワトリに似た魔物のソテーだった。うん、とっても美味しい!暫くはこの味ともお別れかぁ〜もう食べたいよ。
日本にいた頃に読んだ本の知識で、お水と果物と少量の砂糖で出来る天然酵母を使って、パンを作ることに成功してからは、毎日フカフカのパンが食卓にあがった。畑で取れる野菜でスープを作り、森で取れた果物をデザートにした。とても豪華な晩餐だ。
食事をしながら、『まんじゅうこわい』話を『クッキーこわい』に変えて大袈裟に顔を動かしたり、身振り手振りを加えて話す。珍しくおじいちゃんが大笑いをして、おばあちゃんは泣き笑いした。とても楽しい晩餐だった。
早めに床について今までの事、これからの事を考える。大丈夫、またすぐに帰ってくる。たくさんのお土産と道中や王都、そしてクソ孫の話しをたくさんしようと思った。
翌朝はいい天気だった。
おばあちゃんが、朝ごはんの後、お弁当を持たせてくれた。前日のお肉のサンドウィッチだ。もう食べたい。
出発前におじいちゃんとおばあちゃんにプレゼントを渡す。昨日渡しちゃうと何だかしんみりしちゃいそうだったから。2人ともギュッと握りしめて黙って頷く。
「気を付けてな、、、メグ」
「いってらっしゃい、メグ」
喉がちょっとだけ詰まりそうになった。
またすぐに帰ってくるんだから!じゃあ行ってきま〜す。と軽く言って、さっさと馬車に乗り込む。
おじいちゃんはピースサインをして、おばあちゃんはグッドサインをする。
ブンブンと手を振ると、2人とも振り返してくれた。ずっとずっと、豆粒ぐらいになっても手を振っているのがわかった。だって、おじいちゃんグローブつけてるし、おばあちゃんは帽子かぶってる。
「いってきます。行って帰ってきます。」
おじいちゃん、初めてメグって言ってくれた。おばあちゃん、いってらっしゃいって私初めていわれたよ。泣いたらずっとのお別れになりそうだから泣くまいと堪えた。
でも、茶髪の兄ちゃんが、グズグズと鼻をすするから私も鼻水と目汁が出てしまった。不覚!
お読みいただきありがとうございました。
つたない文章ですが、軽く楽しく読んでいただけたら幸いです。
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