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異世界にコスプレのまま飛ばされました  作者: スイッチマン


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冒険者コマチ誕生


「ふわぁぁぁ〜〜あーよく寝た〜久しぶりにぐっすりだったぁ〜。」


珍しくスッキリと目が覚めた。桶の中の湯はすっかり冷めてしまってたけど、今朝の私には、この冷たさが心地いい。

さあ、今日はおばあちゃんの手伝いをして、おじいちゃんの畑を世話しよう。


「おはよう!何のお手伝いからしようか!」


「なにがおはようだい、もう昼すぎだよ。先にご飯食べちゃいな」


「ごめんね。すっかり寝過ごしちゃった・・・」


「いいんだよ。じーさんは畑にいるから食事が終わったら行ってやんな。」


「うん、わかった」

食事を終えて隣の畑へと行く。

おじいちゃんは、鍬で耕しては石をよけてを繰り返していた。


「何を植えるの?」


「ここは魔物に荒らされてばかりだからな、なるべく土の中で育つ丈夫なものをと思ってるんだが、なかなか上手くいかん。毎年違う物を作って様子を見てるがいいのができん。」


「その魔物ってどんなやつ?」


「大きさは、小型のネズミから中型のアナグマあたりだ。たまに大型のボアもやってきて、思い切り荒らしおる。その時は村総出で討伐だ。お陰で畑もこの有様よ。」


これでは生計立てるのも難しいよね。おじいちゃんも狩で稼ぐのも厳しいし、畑もこれなら安定した生活なんておくれない。


「ねえおじいちゃん、討伐した魔物ってどうしてるの?」


「ギルドに持っていくか、肉屋に売るか、自分らで解体して食べるかだな。運が良ければ通りがかった商隊や討伐隊が買上げてくれる。」


「この村はみんなこんな感じ?」


「うちが一番森に近いからな、畑の被害は大きい。なに2人暮らしのおいぼれだ。ささやかに生きるぶんには大したことはない」


「・・・おじいちゃん、畑の手伝いはもう少し待って。私ちょっと行ってくる。」


「おい!どこに行くんだ!」



部屋で着替えてデカ蜂の針付き杖と扇を用意する。

とりあえずは畑の周りを中心にヤる!

心にヒーローの炎を燃やして2人の為にいざ行かん!


バシュ!ザクッ!シュッ!たまにドーン!


数時間で小型魔物、中型、大型、それぞれ倒したよ!これまとめてギルドに持っていっても怪しまれるよね。おかしくない程度に売り払おう。


「おじいちゃーん!魔物かってきたよー!」

おじいちゃん口開いてるよ?瞬きしてないよ?


「お前大丈夫か?怪我はないか?」


慌てて私の体を確認するおじいちゃんに笑ってしまう。


「うん、大丈夫大丈夫。森の畑の近くにいたやつだけだから。いくつかあるけどウチで食べる?残りはギルドと肉屋に持っていこうよ!」


なんちゃってデカ麻袋の中から、角うさぎとデカラットを差出す。そうそう、インベントリのレベルが上がって、収納量も増えて手をかざすだけで収納できるようになったんだ!

おじいちゃんは目を丸くして受け取る。


「お前、大丈夫だったのか?」

また同じこと聞く。


「大丈夫だよ、ひとつも怪我してないっ!」

ってピースサインをした。


「今日はウサギを焼こう、今から捌いてティナに料理をしてもらうか。そうさな、残りはギルドへ持って行こう。お前も一緒に来い、登録してやる。」


やった!冒険者登録してカードとか貰えるのかな?少しずつクエストこなしていけば、ある程度の数持っていっても怪しまれないよね!

よしっ、これでおじいちゃん達のお腹いっぱいにさせてあげられる!


今夜は、豪華にウサギの肉のソテーだった。おいしぃ〜!おばあちゃんマジ天才シェフ!口に頬張りすぎて美味しいを伝えられない。だから親指たててグッドのサインをする。

明日はウサギ肉のシチューだって!楽しみ!

結局、遅くなっちゃったからギルドは明日になった。



お腹を満たした翌朝は顔も髪もツヤツヤで何だか若返った気がする。

元気モリモリだし今日は大型の魔物2体は行けそう・・・ダメだよメグ調子にのっちゃあ。お前の悪いクセだと反省。


朝食を終えておじいちゃんと一緒にギルドへ。

少し距離があるから馬を借りて行ったんだ。

わぁ〜高ーい!風気持ちいいー!とはしゃいだ時が懐かしい。お尻が四つに割れちゃうよぅ〜おじいちゃんまだぁ〜?


馬から降りたら生まれたての何かがいました。私です。おじいちゃんはニヤリと笑い魔物の入った麻袋と私を抱えて歩きだした。ふぇ〜いつの間にそんなお元気に?


ギルドは埃っぽくて汗くさくてお酒と血の匂いが混じっていた。

もしかして冒険者登録の判定でマズイ事が起こるんじゃないかとドキドキしていたけれどあっさりと登録できてしまった。

F級冒険者コマチの誕生です!そしてなんとギルドカードをもらっちゃいましたよ!お金も預けられる優れものですっ!

おじいちゃんには事前にコマチの名前で登録する事は伝えてあったから黙って頷いていた。


最近は魔物の出現が多くて積極的に冒険者を受け入れてるんだって。クエストボードにも討伐依頼がたくさんあったんだ。

その中でも最重要クエストとして、最近Aランク以上の冒険者が討伐隊を組んで森に向かったらしい。新種の魔物で『ワダジメグ』っていうキメラらしいよ、怖いねぇ。。。アレ何だろ聞いた事あるような。まぁまだヒヨッコの私には関係ないか。


魔物の買取もあっという間に済んでしまって気が抜けた。おじいちゃんは買取金を私に渡そうとしたけれどこれで買い物しようと強引に市場へ向かう。


初めて見る物ばっかりだなぁ〜何がいいかな。まずはおじいちゃんに日除けの帽子と、おばあちゃんの膝掛けを買う。あとは粉類や茶葉を買って、調味料のある棚を見る。砂糖、蜂蜜・・・めちゃくちゃ高いじゃん!

まだまだ欲しいものがあったけれどおじいちゃんからストップがかかる、一気に買わなくてもいいって。またくればいいって。


帰りの馬はお尻の痛みさえ気にならなかった。おじいちゃんの腰に手を回して、初めてうちに来た日を思い出す。

大泣きして寝る前に淹れてくれたあのスパイス入りのハーブティーはとっても甘かった。ありがとう。



お読みいただきありがとうございました。


つたない文章ですが、軽く楽しく読んでいただけたら幸いです。


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