異世界あるあるですね!
「えぇぇ〜飛んでっぢゃっだの⁈ぜっがぐの人間だっだのにぃぃばがやろぉ・・・」
エグエグ、もう踏んだり蹴ったり。
エグエグ、これからどうしたらいいの?
ねぇそれよりもアキちゃんは?ミワちゃんは?どこにいるの?私ひとりなの?もしかして私だけ死んじゃったの?
目が覚めてからの怒涛の展開にいっぱいいっぱいだったけれど、ひと息ついた瞬間に先程とはまた違う恐怖と不安が襲ってくる。
汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔。冷んやりとした空気にふと我にかえる。
「グゥゥッ〜」
おながずいだぁ、、、こんな時でもお腹すくんだ。本能が考えるな食べろと言っている。
スーツケースにはお泊まりセットはあるけれど食べる物は無かったよなぁ。どうしよう、どうしたらいい?森なのに木の実も無ければ果物もない。生き物を狩って火おこしして、なんて到底無理だ。
手には扇子と筆だけ。足元の石に腰掛ける。
"はらへった コンビニおにぎり 食べたいな"
扇子に筆で書き殴った。
『ホイホイ』
チャリーンと携帯から音が鳴る。
目の前がチカリと光ったかと思うと頭に浮かんでいたおにぎりが!
「へっ・・・コンビニのおにぎりだぁ・・・」
うわー、本当に⁈
神様!!異世界展開あるあるだよ!!こんなのマジであるんだ!
ゴクリ、震える手で受け取ると手早く包装を剥がし食す。ひと口、ふた口。
「うんまぁ〜、おいひいよぉ」
普通の塩むすび、こんなに美味しかったっけ。しみる、しみるよ。ありがとう神様。ありがとう米。あぁ、ついでにお〜い、出よお茶!
お腹が満たされた所で目を瞑り腕を組む。
うーーーーーん。
何が何だかわからないけれど、頭で理解しようとするのはやめた。
だって本当に全然わからんのだもん。
扇子で扇ぐとすんごい風が吹いて、扇子に筆で何かを書くと実体化しちゃう。実体化した後は書いた字がスーッと消えてなくなっちゃうのも不思議。これ和歌じゃなくてもいいの?5・7・5でおっけーなの?季語なしでも許してくれる?無学だから難しいよ〜
それでしっかりお金持っていかれるから無闇矢鱈には使えない。うーん、これはチートか?チートなのか?多分チートなんだろう。わからん。
考えるのをやめる。
とにかく人のいる所に行こう。
まずは私をアンテッドとかキメラだとかぬかしやがったアイツらが飛んでった方角に行ってみよう。
そうだそうだ、スーツケースあったんだコレは大事。でもなぁ森の中でスーツケースなんて、なんとも歩き辛いし持てないよ。その前にこの十二単着替えなきゃ、動きづらいったらありゃしない。
なんと言っても魔物に間違えられる。命の危険度マックスだよ。
この荷物はどうしたものか、、、
「あーあーあー」
ものは試しだ!とちょっと恥ずかしいけどやってみる!
「異世界お得意のインベントリよ出てこいっ!」
前に向かって両手をかざす。
チロリン♪ぶぉーん⬜︎
もう頭では考えない考えない。あるあるがこんなに有難いなんてっ!!
目の前には、あの!漫画やアニメで見た事のある、あの!画面が!!
「ふむふむ、今の収納力は5m×5m×5mで、時間経過は無しで生き物はダメなんだな。レベル1では収納するものを手で触れなきゃなのね。オッケー、凄くいい。神様ありがとう。」
信仰とはこうやってうまれるんだろう。
スーツケースから着替えのジャージとスニーカーを取り出し、着物やら一式を収納する。右手に筆、左手に扇子を持つ。
そうだ、あれ持っていっとこ。最初に私を襲った蜂と巣。触るのめっちゃ嫌だけどもしかしたら換金できるかもしれないじゃない。
うぇ〜きょわいーきもいーと言いながら蜂の巣とデカ蜂らを収納した。それにしても巣がデカすぎるよ容量ギリギリだなぁ
日が暮れるまえに森を抜けたい。すぐに行こう。気を抜くと動けなくなる気がしたから。
何事もないようにして歩き出した。
お読みいただきありがとうございました。
つたない文章ですが、軽く楽しく読んでいただけたら幸いです。
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