出航の準備
「遅くなったな。そちらの準備はどうだ?」
「うん、終わったよ。リストの内容に加えてクラパパからも物資と人員の追加もあったし、ニコラスさんがマジックバック3つも作ってくれたんだ!」
「そうか!これなら集落全体に行き渡るな。早速だが、すぐでもに出発したいんだ。
今からギルドで北へのルートを確認してくるよ、商隊や冒険者達から道中の様子を聞いておきたい。」
クラっちは、港町へ到着した早々、ギルドへ向かっていった。往復の日程を考えると年内までに戻らなきゃいけないもんね。
------------------------------------------------------
「北への街道が通れない?」
「ああ、そうなんだ。国境の山岳地帯で大規模な崩落事故があったらしい。人はかろうじて通れるらしいが、足場が悪く二次災害の危険性もあるそうだ・・・他のルートを調べる。商隊長達を集めろ!」
「山脈を越えて海沿いにでるか、東の沿岸を進むしかないですね。」
「でも集落はラン王国でも西の端だ、春まで戻ってはこれないぞ。」
「では、陸路を諦めよう。大回りになるが船で行く。西回りで向かい、集落沿岸部に船をつける。だがこの時期の北の海だ、厳しい状況になるのは間違いない、着岸できるかは一か八かだな。」
「会頭、船はどうしますか?ウチの船の戻りはまだ先ですぜ。」
「・・・暫く出る。他の者は出発準備を進めておいてくれ。」
北への物資輸送が厳しくなってきた。でも行かなきゃあの集落の民達はきっと冬を越せない。弱い者から命をおとす、優れた薬師達がいてもだ。
「すみません、結局あなたにしか頼れる所がなくて・・・」
「うん、本来なら自分の力でやりたかったんだろうけど、悪条件が重なってしまったね。でも、人の為に頭を下げられるなんて素晴らしいことさ。パパは嬉しいな。」
「茶化すなよ。」
「状況はわかった、そうだな、ちょっと時間をおくれ。話しが纏まり次第使いを送ろう。」
「ありがとう・・・父さん。」
唇を真横にギュッと結んで父は出て行った。
翌日の午後には出航日が決まっていた。
「僕の学院時代の友人でね、手広く商いをやってる奴がいるんだ。上の息子に経験させる為にね、本来は南の国へ出航する予定だったが、その前に寄り道してくれるそうだよ。
ただし荷物と人員数の制限、着岸できるかの判断はあちらが決める。状況次第で目前で折り返す事もあるが口出しは受け付けない。いいかい?」
「・・・わかった。」
「しっかり書面で残すよ、それでもサインはできるかい?」
「・・・わかった。それで、費用はどれくらいになるんだ?」
「あぁ、あそこの店で扱っている商品3つに王家の印が欲しいらしい。ちゃっかりしてるよね。」
随分と借りができてしまったな。
「あと、ビークの港に興味があるんだって。最近凄いでしょあそこ。君に顔を繋いでいた方が得だと思ったんだろうね。恐らく君も知ってると思うけれど、彼らはルースター商会。ヘルメス侯爵が直接関わっている店だよ。」
思っていた以上の大物に少し気後れした。腹を括れ、俺!
------------------------------------------------------
明後日の出発が決まったんだって。大きな商会が持ってる船に乗せてもらえるらしい。
物資の量と同行する人員の数が変わったみたい。でもニコラスバックが思っていた以上の容量で、1袋につき荷馬車10台分なんだよ!良かった。なるべく私のインベントリの事は秘密にしときたいからね。
人員については、漁民も商会の者もそれぞれに仕事を持っているから、クラパパが派遣してくれた騎士になれなかった人々・・・もとい補給・配給・運搬係のお仕事をしていた方々が各方面で修行をしていたのでそのままお頭と共に着いてきて貰うことになったよ。
言い方面倒くさいんで子分としよう。子分達はそれぞれツルピカ組はサングラスを、魚粉組は防塵マスクと小型ミキサーを、レストラン組はバンダナを先輩達からプレゼントされていた。
えーじゃないか。頑張ってくれたまえ。
お読みいただきありがとうございました。
気軽に楽しく読んでいただけたら幸いです。
ブックマークや☆での評価で応援していただけると嬉しいです。




