クラパパのお小言と出発準備
「やぁメグちゃん。」
肩をちょんちょんと叩かれて振り返る。
「ヒッ!」
そこには目の笑っていない満面の笑みのクラパパ。
「何か、楽しそーな事やってるねぇ。」
「えっ、今は忙しいんじゃっ。」
「うん、とっても忙しいよぉ。小説や脚本の執筆活動に劇場の建設、舞台監督に・・・王宮での仕事もあるかなー。」
こっ、怖い・・・
「うん?怖くないよ。」
へっ、逃げる?
「うん?逃げちゃダメ。」
へっ、何でわかるの?
「ひ、み、つ。」
・・・・・うー無心無心・・・素数素数・・・
「素数はいらないよ。
最近、漁港の西側で漁船が凄いスピードで沖に向かってるって情報が入ってね、海獣にでもけん引させてるのかな?メグちゃんテイマーになったの?大型船ならどれくらいのテイマーと海獣が必要になる?」
質問の圧が凄い!密偵めチクリやがったな。
「それにどーしてビークの街に、大錬金術師のニコラウス・ヘースラー様がいるのかな?どうやって餌付けたのかな?あの珍妙なかっこうは何?」
えっ!ニコラスさんそんなに凄い人だったの⁈便利屋扱いしてごめんなさいっ。餌付けはすり身でです。珍妙スタイルは、すり身とスパイシーすり身のブローチです。最近はピンバッチまで手を出して数で子供達に対抗しています。
「すり身?」
「いやっ、あの、実は漁船の改良をしてて・・・」
「そこを詳しく。」
ヒェー長くなるぅぅー。
「本当にメグちゃんは次々に・・・あのね、はっきり話さなかった僕も悪いんだけど、メグちゃんが生み出す物が画期的でね、欲深い者達の格好の餌食になってしまうんだ。
今、君の周りは善良な者が多くいるけれど、誘拐事件のように悪い奴なんてどこにでもいる。自分は大丈夫だと思っても、大切なモノを人質に取られたらきっと言う事を聞いてしまうだろ?他国に売られて奴隷のような扱いだってされる。
だからね、力のある者の近くにいて欲しいんだ。決して君を縛らないと私が約束するよ。」
そうだよね、この世界にしたら少々オーバーテクノロジーな所あるもんね。要は下手に手を出されないように後ろ盾になってくれるって事だよね。
「そうだよ。」
ココロヨムノヤメテモラッテイイデスカ?
「わかった。」
「・・・・・これからはしっかり報告します!ごめんなさい。そして、よろしくお願いします。」
うん、といつものニコニコ顔に戻ったクラパパは髪の毛がチリチリになるまで頭を撫でてくれた。
スクリュープロペラの船が完成した。まだ大っぴらには出来ないのでこっそりお祝いした。
クラパパから技術の提供をお願いされたので、ニコラスさんと相談後に了承の返事をしたら、びっくりする程のお金が振り込まれた。よしっ、これで作ろうアレを!
「ニコラスさーん!本っ当にお疲れさまでした。今回の報酬は凄いですよー。」
「へーそうなの・・・それだけなのかな・・・」
チロッチロッ。
「勿論、これだけではありません!出よ、ジャイアントなすり身!」
屈強な男4人が、神輿を担ぐかの如く魚の形をしたでっかいすり身を運んで来る。
ワッショイ!ワッショイ!
「あーー夢のようだ!これを私が全部独り占めしていいのか⁈ちょっと待ってくれ、オイッ絵師はいるか!」
喜んでくれて嬉しいなーどうぞどうぞお好きになさってください〜
「これは枕がいいか抱き枕がいいか・・・」
あっダメダメ、ちゃんと食べて下さいね。
「ちょっと大きすぎましたね。マジックバックがあればそこに保管できると思うんですけど、ニコラスさん持ってます?」
「そうか、その方法があったな!では作る。」
・・・・・えっ・・・作れんの?
ちょっと待って、そうよ大錬金術師だもの作れるよね。あー盲点だった!
「ニコラスさんっ!後で話しを!!」
ラン王国への物資輸送の事があったので相談しよう。出発まで間に合うかな。
マジックバック製作に必要な材料が不足していたからギリギリ3個までは出来上がった。それでも十分ありがたい。
あっ!クラパパに報告しなきゃ!
「で、ニコラウス様が作ってくれたんだね。こちらからも相談しなければ・・・それと北への渡航は国としても協力しよう。物資の増産と人員の追加も。
騎士では誤解を招く恐れがあるから、騎士としては少しばかり力の足りなかったものを運搬・配給担当として回すよ。
本人らの希望があればそちらへの鞍替えも問題ないよ。あと護衛や力仕事が必要ならば冒険者ギルドへ依頼するといい。その費用はこちらが持とう。」
ありがとうクラパパ!人は漁民の何人かが着いてきてくれるらしいから心強い。
早速、10名の騎士のなりぞこなぃ・・・いや補給、配給、運搬担当の方々が来てくれた。
出発まで持て余すので、まず5名をツルピカ連合に託し、運搬作業等で使えるように鍛えてもらい、他3名を魚粉工場へ向かわせ、唐辛子や乾燥生姜などを粉状する作業を手伝ってもらう。そして残りの2名は、レストランで調理の基礎を学んでもらった。
おおまかな準備が整ったころようやくクラっちが戻ってきた。
お読みいただきありがとうございました。
気軽に楽しく読んでいただけたら幸いです。
ブックマークや☆での評価で応援していただけると嬉しいです。




