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異世界にコスプレのまま飛ばされました  作者: スイッチマン


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クラウンのお願いと爆誕〇〇!


「メグ、ちょっといいか?」


先週、出張から帰ってきたクラっちが、いつになく真面目な顔をして話し始めた。



「北の国、ラン王国って言うんだけどな、その西側にタオって地域があるんだ。霊山の麓にあって、昔から腕のいい薬師が揃っていてな俺も随分と世話になった。

それが今年は農作物が不作でさ、疫病の兆候までで始めたんだ。あの地方でしか採取できない薬草や野菜を輸出する事で生計をたててたがそれもできん。このままだと、この冬を越すのはかなり厳しい。

ただの一介の商人だけど、少しでもいいから何かしたい。こちらで用意できる食料や衣類、出来れば暖がとれる物を届けたいんだ。だから、その、お前の力かしてくれないか?」


拳をギュッと握りしめ頭を下げた。


「うん、いいよ。」


「お前、内容もまだ話してないんだぞ。俺が言うのも何だけど簡単に了承するな。」


「でもクラっちが助けてたいって思ったんでしょ、ならいいよ。」


口を真横にむすんだクラっちは「ありがとう。」と小さく言った。



「それでな、これがお前の収納の中に入れる物のリストだ。他は俺がありったけのマジックバックをかき集める。

ラン王国は年明けから5月頃まで雪に覆われるんだよ。物資の準備が出来次第出発したいが、北の薬師に頼まれた薬草がいくつかあってな、それがフォルクス村のあの森にある。

俺は今から採取に向かうから、お前は他の準備を進めておいて欲しい。」


私も着いて行きたかったけれど足手まといだよね。ここはぐっと我慢する。


「わかった、おいじちゃんとおばあちゃんによろしく。そして気を付けて。」


ここから村まで1週間、往復と採取を合わせると20日前後だろうか。慌ただしく部屋を出て行ったクラっちの無事を祈った。




クラっちにまだ伝えていなかったけれど、今の私の収納力はかなりのものになっている。大型の船ぐらい全然大丈夫そう?

リスト内の物資の調達が早くに終わってしまったので、港に向かい屋台やレストランでの余剰分があれば全て引き受けるからバンバン作ってくれと伝えに行った。


今やレストランや屋台、お土産ショップなど私がいなくても問題なく回っている。

超有能スーパーウルトラ秘書のルキさんのおかげ。働く気力はあっても働く場所が無かった人達が、居場所を得てどんどん成果を出しているらしい。上手に人材を育て回せていけるなんてすごい才能だ。ありがたや。




打ち合わせを重ねていたニコラスさんの元へ手土産を持って向かう。何度も形を変えて実験を繰り返しているらしい。


「ニコラスさん、お疲れ様です。」


「あぁーコマちゃんいい所に来てくれたね。あっ、もしかしてそれはすり身のおでんかい?」


「そうですよ、ちゃんと食事はとってますか?ニコラスさんが休まないとお弟子さん達も休めませんよ。」


そうなのです。激務つづきのニコラスさんはとうとうお弟子さん2人をとったのですよ。自分のペースを崩されるのを嫌がって断り続けていたけれど、猫の手も借りたい状況がありましてしぶしぶ。


「君たちも休みたまえ。ゆっくりしてきてもよいぞ〜では私も失礼して・・・」


はふはふと美味しそうに食べるニコラスさん。

いつもありがとうございます。


「私に何か用がありましたか?」


「うん、コマちゃんはスライム手に入れられる?最後の仕上げに欲しいんだ。」


確か森にいたやつがインベントリにあったな。


「魔核も必要ですか?」


「ううん、それはいらないよ。」


「わかりました、じゃあ午後に持ってきますね。」





「ここのスクリューと船体の繋ぎ目部分にね、スライムと粘着力のある樹皮を混ぜ込んだものを埋めるんだ。数日乾燥させて次は、樹皮と鉱物で作った塗料を塗る。これで固定して浸水を防ぐ事が可能だと思うんだよ。」


何か難しい事言ってるけど多分めっちゃすごい事なんだと思う。


「ニコラスさん!凄い、とんでもなく凄いですよっ!!大大大発明です!」


「いや、大発明ならすり身ですよ〜あんなに弾力があって旨みがギュッと凝縮しつつも中に入れた具材とのバランスもいい!」


・・・そうだね、大好きだもんね。お礼にすり身のニューバージョン考えとくね。




そうです、ミキサーの羽の回転からボートのスクリュープロペラを思い出したのです。

実は、この辺りの海洋が随分落ち着いたとはいっても海難事故もあるんですよ。潮の満ち引きで流されてしまったり、風を読み間違えてしまったり。それにこの推進力があれば、漁船でももう少し遠くの海まで行けるんじゃないかなって。

ちゃんとした試験運航していないから何ともなんだけど、暫くは今までの風の力や、人力で進むスタイルにスクリュー付けて並行してやってみたらどうかな?って思ってます。


船はツルピカことお頭に頼んで、引退間際の状態の良さそうな漁船を2隻ほど買い取って製作と実験を進めていたの。

お頭達や引退した船大工が興味を持ってアドバイスくれたり必要な材料の調達に協力してくれて、予定よりも随分短期間で完成に近づいた。

エンジン部分とか難しい事はわからないけれど、必要なパワー系魔石は私に任せて!!



お読みいただきありがとうございました。


気軽に楽しく読んでいただけたら幸いです。


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