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SHO TIME-最強ゆえに孤独だった青年、幼女に転生してはじめて愛を知る-  作者: ヒガシヤマ・スバル
シーズン1 インターネットの魔物〝終末への選択肢〟

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025 貴方とつながりたいが故、回りくどい手は使わない

「知らねぇよ。天使とやらに聞いてみろ」

「私の天使は梅毒なので、その指摘には当てはまらないぞ」

「それこそこっちの責任じゃない。つか、話が脱線した。ともかく、KOM分校からサテライト・キャノンを取り除いてくれるのか? それなら良いけど」

「無料コースと、有料コース。どちらが良い?」

「は?」

「オマエ、まだ私が裏社会とつながっていると思い込んでいるだろ。だから、私がタダで請け負ったら、後々とんでもねェ請求が来ると危惧しているんじゃないか?」

「……なにをしろと?」


 ルーシはニヤッと嫌らしく笑う。これは、とんでもない提案をされる前振りだ。


「エバって子、いるよな。黒髪碧眼の子だ。その子が、私の友だちと親戚でさ。メッセージアプリ使って、こんなことを話していたらしい。『セラって子と恋愛関係になるには、どうすれば良いか』って」


 スズキは、口を間抜けに開け、そのままWhy? と言わんばかりに手を広げる。


「なんだ、気がついていなかったか。知った上で無視しているのかと……いや、最近露骨に動きを見せた辺り、記憶と能力は最近取り戻したわけだ」

「お、オマエ……おれにロリコンになれと?」

「見た目が11歳幼女で、相手も11歳なら、そりゃもう純愛だよ。雪合戦でもして遊び、『愛しているよ』と耳元で囁やけば小学生なんて満足するだろ」

「そういう問題じゃねぇんだよ! 良いか!? おれは実年齢28歳に10歳プラスの38歳だぞ!? そんなこと言ってみろ、不審者扱いだよ!」

「声を潜めろ。馬鹿だと思われるぞ」ルーシはスズキを見下ろし目を合わせ、さながら姉のように人差し指を口元に当てる。「まぁ、38歳が11歳に愛している、というのはまずいか。なら、仲良くゲームでもしていれば良いさ。どうせゲーム機が家にあるんだろ? 死んで前世の記憶を失っても、習慣はそう簡単に変えられない。ゲームでもして、エバが少しずつ暖房が強いからと服をセクシーに脱いでいくのを──」

「黙れ! ヒトをロリコン扱いするな!」


 スズキは顔を真っ赤にして抗議する。ルーシはそんなスズキをせせら笑い、


「悪かったよ。しかし、エバの話は冗談でもなんでもない。どうやったらセラが自分を恋愛的な意味で好いてくれるか、大真面目に考えている。だからまぁ、断るのならうまく方便を考えておくんだな」

「……分かったよ。オマエがマジな顔して言ってンだ。信じる」

「そりゃあ、ありがたい。さて、交渉成立だ。あしたにでも、KOM学園ピースランド分校を閉鎖してサテライト・キャノン操作装置を撤去する。そして、それを言い換えると……」

「エバをなんとかしろ、ってことだろ? 分かった。回りくでぇ手は好きじゃない。本人に尋ねる」

「そういうこった。ま、うまくやれよ~」


 スズキが目を離した途端、ルーシは一枚の黒い鷲の羽を身代わりにしたかのように消え去る。深く白い溜め息をつき、スズキは街中の時計を見る。


「8時12分か……。まだ余裕あるな」


 ここからKOM学園まで、歩いて15分。きょうの学校開始は9時30分。普段なら、オリビアとともに登校するが、今回ばかりは話が違う。スズキはスマホを取り出し、エバ・フーシェに連絡する。


「エバ。きょう、いっしょに登校しない?」

『……もう退院したの?』

「うん。病院食に飽きたんだ」

『分かったわ。あと数分で貴方の家の前通るから、エントランスで待機しててくれる?』

「あいさ」


 電話を切り、またもや凍えるような寒さの中、息を吐き出す。


「家の前通ってるって……。エバの家からだと、むしろ遠回りになるだろ」


 スクールバスも使わず、エバは往復1時間の道をわざわざ歩き、スズキの家前を通っているわけだ。

 スズキは、荷物をまとめに行く。正味、あのふざけた(ルーシ)から解放されて、だいぶ気が楽になっているのは否めない。


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