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SHO TIME-最強ゆえに孤独だった青年、幼女に転生してはじめて愛を知る-  作者: ヒガシヤマ・スバル
シーズン1 インターネットの魔物〝終末への選択肢〟

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23/28

023 クソ野郎でも蘇る街が故、ソイツも女になっちまう

(弱ぇのは、罪でもなんでもねぇはずなんだけどな……)


 強がってなければ死んでいた前世。弱くても守ってもらえる今世。ただ、弱さをさらけ出せる強さは持っていない。


「セラちゃん?」

「あ、うん。ハンバーグとかで良いや」

「分かった!」


 セラはリナのセダンの後部座席に乗り、バックミラー越しに自分の表情が見えないよう位置を調整する。今、どんな表情をしているのか。自分でも知るのが怖いからだ。


(スマホがうるさいな)


 気を紛らせる方法が、現状スマホしかない。スズキはスマホのメッセージ欄を見る。


「は?」


 スズキは、呆気にとられたように口を開ける。


「どうしたの? セラちゃん」

「いや、なんでもない。メッセージがたくさん来てて、びっくりしただけ」

「セラちゃんの退院を待ってる子たち?」

「うん、まぁ、そんなところ」


 リナを躱し、スズキはメッセージをすべて目に通す。


『よう、ショウ。オマエがこの国に来ていたのには、正直驚いたぜ。今は楽しく女子小学生かい? 小学生だったら、夜家から出るのは難しいよな。あしたの下校時、それか登校時を指定しろ。そうすれば、家の前で待っていてやる。貴女の親愛なる友、ルーシより』


 スズキは、思わず叫ぶところだった。なぜあの露助が? どうやって知った? リナへ危害をくわえるつもりか? それとも友だちに? 


(クソッ……。吐き気がしてきたぜ。あの野郎、やはり死んだくらいじゃ死なねぇのか?)


 胃が痛み、表情も蒼くなる。しかし、〝ルーシ〟という人間の異常性を良く知っているスズキは、せめてリナやオリビア、エバを守るため、こう返事する。


『なにが目的だ? 母を傷つけるなら、容赦しないぞ』


 すぐメッセージが返ってくる。


『母親か、そりゃあ結構。オマエのような〝化け物〟でも、母の愛を知れたか。大丈夫、親や今のお友だちに危害を加えないと約束する。だいたい、そんなことをしてなんの意味がある? 分かったら、登校時か下校時を選べ。二者択一だ』


 スズキは、思わず頭を抱え込む。


(コイツ、カマかけやがった。ヤサは割れてても、まさか〝おれ〟が母親と暮らしてるとは知らなかったみてぇだ……。クソッ)


 緊迫し、軽く歯ぎしりしつつ、スズキは返事した。


『登校時だ。悪党のクソ野郎を友だちに見せたくない』


 案の定、即座にメッセージが戻ってくる。まるで会話しているように。


『そんなこというなよ。〝怪物〟と〝化け物〟らしく、仲良くやろうぜ。昔のように』

『くたばれ、露助』


 メッセージ・ルームから、謎の人物は消える。スズキは薄く溜め息をつき、遠くを見始めるのだった。


 *


「……母がいねぇのが、唯一の救いか。クソッ。あの野郎、どこまでも見透かしてきやがる」


 現世での母・リナは、すでに出勤している。これで、いつでもケンカができる状態だ。できればケンカなどしたくないが、いざというときは実力行使以外に道しるべがない。


 スズキはエレベーターで一気に下まで降り、予定通り8時前後にエントランスへたどり着く。

 すると、


「……なんでいねぇんだ?」


 金髪碧眼で、前世のスズキと同じくらいの身長。性別は当然男で、多少姿が変わっていても目つきを見れば分かる。

 ところが、エントランスの前にいたのは、銀髪碧眼の20代くらいの女だけ。この国では銀髪なんて珍しくないが……いや、遅刻してくるわけがない。こういう場面で必ず時間を守っていたあの男が……、


「……は?」


 銀髪の女が手招きしてくる。というか、手を振っていた。スズキは怪訝に感じながらも、誰かの親かもしれない、と彼女へ近づいていく。

 外へ出たら、彼女の柔和な声が聞こえてくる。


「よォ、ショウ。アンゲルスは素晴らしい国だよな。死者が蘇るし……その死人は女になっちまう。

 こんな転生先、他にねェぞ」


 旧友は、いつも通りの軽口を叩いてきた。


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