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SHO TIME-最強ゆえに孤独だった青年、幼女に転生してはじめて愛を知る-  作者: ヒガシヤマ・スバル
プロローグ──終わりなき旅へ、立ち上がるとき

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019 対戦車用ライフル、そして侮り

「チクショウ……」


 かろうじて、直撃は免れた。咳き込むオリビアやアルス、それにエバ。死んでいないだけマシだが、ランチャーにはもう一発弾丸が残っている。スズキは、包帯で顔を隠す、女性らしいフォルムの敵に詰め寄る。


「病院で怪我人増やそうとは、どういう了見してるんだ?」


 すると、

 スズキは寸のところで、ライフルの正体を見抜く。これは、対戦車用の銃だ。当然、後ろにいる子たちが喰らったらぐちゃぐちゃになってしまうので、スズキは弾丸をあえて身体で受け止める。

 そうすれば、


「グッ!?」


 轟音とともに、核兵器を撃たれても平気な身体の重心が、大きく揺らぐ。スズキは仰向けに倒れ込み、砂ホコリが舞い散る天井を見てしまう。


「この前の戦闘で化け物だとは思っていたが……、さすがに対戦車ライフルは堪えるらしいな」


 女──パークは、そのまま銃をオリビアたちに向ける。

 そうはさせまい、とスズキは起き上がり、右人差し指からレーザービームのような現象を繰り出す。それはパークを仕留めるためのものであったが、先ほどの揺らぎの所為で指がうまく定まらない。それ故、レーザービームは明後日の方向へ向かってしまった。


「チェック・メイトだ」


 パークは、巨大な口径の弾丸をオリビアたちに放とうとした。

 だが、

 寸前で、パークは膝から転げ落ちる。息切れを起こし、満身創痍なのは間違いない。


「……なにがチェック・メイトだ、馬鹿が」


 その隙を狙い、スズキは右側のライフルを蹴り飛ばす。重心が崩れたパークは、そのまま左側の銃も落としてしまう。


「もう小ネタは終いだ。ッたく、どういうタフさだよ。人間じゃない、って言われても信じるぞ」

「……ふフフ」

「あ?」

「一流の魔術師相手は、人間という概念など等に超えているぞ。クソガキ」


 パークは、さも当然のように起き上がる。そして、一気に地面を蹴ってその場から姿を消す。


「あぁン? 速度比べか?」


 粉じんでゲホゲホと咳き込んでいたエバが、青ざめた顔でスズキに伝えてくる。


「違うわ、セラ……。ソイツは、ソイツは──!!」


「ペラペラ喋るな。ネタバレはつまらんぞ?」


 パークは、背後──オリビアやエバ、アルスがいる場所にテレポートしたかのように、立っていた。彼女は刃物を取り出し、それをエバの首元に突きつける。


「──ッ!!」


 エバは、生唾を呑み込む。


「おい、クソガキ。私の評定金額を教えてやろう」パークは血走った目を見開きながら言う。「10億9000万メニーだ。魔術師としての格が違うんだよ、オマエらのようなクソガキとは……!!」


 相手は人質を取っている。しかも、スズキが動いた途端、人質の首は撥ねられるであろう。周りにいる者が解決できるわけもない。さぁ、状況は最悪で最高。ナメた真似には、相応のカエシをしてやろう。


「なにが狙いだ? エバを人質に取る理由は」

「オマエをこの手で始末するためだ」

「なるほど。しかし、考えてみろ。仮にエバを殺したら、オマエは私に捻り潰される。エバを殺さなかったら、もうすでに通報を受けた特殊部隊に捕まる。オマエ、場を掌握しているつもりだろうけど、実際はただの自殺だからな?」


 この安い煽りで逆上してくれれば良い。してくれないのなら、速攻で解決するしかない。


「それこそオマエの妄想だ。私は、このガキがどうなろうと逃げられる。そうでなければ、人質作戦なんて取るはずないだろう」

「あぁ、そう……」


 スズキは、どこか脱力した口調だった。

 刹那、

 彼女は、ぶらっと振り下げていた両手を一気に挙げる。そのまま、両手からエネルギー弾を放った。


「──ッ!!」


 その弾丸は、そっくりパークの身体の至るところに直撃し、彼女は血まみれになりながら倒れ込む。


「ガキだ、ガキだ……とナメるからこうなる」


 スズキは、退屈げにそう言い放った。


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