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10.『魂の最高視聴率(ハイエンド・インプレッション)』

「予算がないなら、奪い取るまでだ!」


俺は官房長官の形見である「マスター・パレット」をスマホにマウントし、強制ブーストをかけた。背後には、かつての「背景」に溶け込んだ彼女の意志が、オーラのように揺らめいている。


空を埋め尽くす「スポンサー(投資家)」たちの巨大な船。そこから放たれるのは、あらゆる個性を消し去り、人間をただの「数字」へと変換する**【中抜き光線】**だ。光を浴びた街並みが、豪華な作画から、スカスカの「絵コンテ」へと退行していく。


「見ろよ、あいつら。この世界をただの『商品』としか見てねえ……!」


俺は叫びながら、黄金の筆を空に向かって突き立てた。

「俺たちの人生は、誰かの投資の材料じゃない。一フレームごとに血を吐きながら描き上げた、唯一無二の作品なんだよ!」


その瞬間、俺のスマホの画面が爆発的な光を放った。

「神回」のタグをつけられた俺たちの物語が、SNSを通じて日本中の、いや世界中の「視聴者」の魂に火をつけたのだ。


「……あ、アクセス数が……止まらねえ!」


一億人の**「いいね(熱量)」**が、国家予算という名の「作画リソース」へと変換されていく。

画面越しに、失業中の元アニメーター、政治に絶望していた学生、そしてただ美しく生きたいと願うすべての人々が、自分のデバイスから「色」を送り始めた。


「これが……俺たちの、本当の『制作費』だあああ!」


俺の引いた一本の線が、雲を突き抜け、スポンサーの旗艦へと届く。

それは、どんな最新AIにも描けない、泥臭くて、熱くて、あまりにも「人間らしい」魂のストローク。


空の上で、無機質な投資家たちの悲鳴が響いた。

『バカな! 採算が合わない! こんな高コストな生き方が、長続きするはずがないのに!』


「長続きさせるんじゃねえ! 今、この一瞬を『神回』にするために生きてんだよ!」

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