在り来たりの朝食
朝食を用意してくれたとのことで、皆でメイドのペアナクェルさんが案内してくれるままについていくと。
普通の両開き扉より大きく三人くらいなら横並びでも一緒に入ることも出来る。その扉の左右にいる二人の兵士の方にペアナクェルさんが目配せをすると、重たそうな音を上げながら扉を開けた兵士。
開けると軽くこちらに会釈をした。それに反射的に会釈を返しなどをして中へとペアナクェルさんに案内される。
そこは大きな部屋であり、先程までいた部屋よりさらに大きく広さ高さをみても豪華とも。天井には光は灯ってはいないがシャンデリアにも似た明かりがあり、日の光を取り入れるようにステンドグラスと普通のガラス混じった天井。
そのために床には模様がステンドグラスの紋様が鮮やかに写しだされ、食事をするところどけはただの日差しが差し込むように上は普通のガラスだった。
朝食をとるテーブルへと案内されて、各々に座って待つ。
なんか、そわそわとした気持ちになる。
広すぎる食堂、それも厳かな雰囲気があるために自分が場違いなのではないかと思ってしまうほど。服装が制服だからか、そのように思ってしまうのか。でも普通の服装である卯耳先生もキョロキョロとしているから関係ないみたい。
ほとんどの人がそわそわとしているが数人はそんな感じはとくになく、落ち着いている。
自分の隣に座っている遍もその一人であり、遍の家を考えて他の数人を見れば共通項は簡単にわかる。
さすがに場馴れしているのだろう。遍はよく、父の付き合いでパーティーとかに呼ばれている。
何回かドレスアップ姿を見たことがあるもそこそこに様になっている。
そわそわとした雰囲気は相変わらずに、自分と風音もこんな経験はなく。強いていうなら修学旅行のホテルの朝食がすこし似ているような気もするが、あれはビュッフェ形式だったから今から朝食をだされるというの新鮮だ。
風音と自分はそんな感じであるが遍と緑朗は落ち着いている。遍はわかるがなんで緑朗も落ち着いているのか、こういう経験はとくにないはずなのに。あいつの家は祖父は剣術の道場を開いているが父母は普通の会社員とパートの一般的な家庭なのに。
「緑朗、なんでそんなに落ち着いているだよ。こういうの初めてだろう?」
「フッ、ジジイとの修行に比べたら、とくに何も思うことがないからな」
「ああ、出たその言い回し。まあ確かに、緑朗のお爺ちゃんの修行は滅茶苦茶厳しいから分かるけど。別にそれ何にでも使える言葉ではないと思うんだけど」
「そうか? 俺の精神性は間違いなくジジイの修行によって歪んでいると自覚しているだがな」
こと無さげに言う緑朗をみて、幼馴染みという関係からみて確かに、幼い頃はもっと元気でわんぱくだったような気もする。ただ確かな記憶がある頃から大分落ち着いておおらかで人の苦しむ姿をみて笑うSであったような、あの頃にはもう辛い修行のせいで可愛げある幼さはなくなったようだ。
全くもって嘆かわしい、と思っていると隣に座っている遍が呆れた様子で自分達をみていた。
「はぁ……信勇と風音、二人ともそわそわしすぎよ? こんなのただの朝食なんだから、これなら友達としてお父さんのパーティーに招待して上げればよかったかしら」
ため息をついてから自分達の様子に遍は苦言を呈した。
「仕方ないじゃないですか遍ちゃん、普通はこんな豪華な部屋で朝食を取ったりしないですよ? もっと在り来たりの食卓でご飯をゆっくりも食べたいです……」
「はぁ、そんな婆くさいこといってないで、すぐになれなさい。多分毎日ここで食べることになるわ」
「ええ、本当ですか? わ、和の要素がほしいです、どうしましょう信勇くん!?」
いきなり自分へと話をふられるが、風音ほど緊張もしていないので分かり合うことは出来ない。
確かに遍がいった通り、毎日ここでご飯を取ることになるのだろう。多分だけど。それも朝昼晩と、昼飯があるかは分からないけど朝と夜はあるだろう。そうなれば毎日二回である。
さすがにそんなことになれば風音も馴れるだろうけどな。
「言っとくけど、自分はもう別にもうそんなだから」
「ひ、ひどいです、信勇くん。一人で置いていくなんて」
信じられないとばかりな目をこちらに向けてくるが、これが現実だ受け入れるだな風音。
と思っているとメイドや執事達が入り口とは違う扉から入ってきて、自分達のまえへと一人一つの朝食を置かれる。
目の前に置かれた料理は、一つの皿に焼かれた肉に回りには同じく焼いてあるキノコ。それに香りがいい赤紫ぽっいソースがかけられており、食欲を誘う。
すこし期待していたよりも豪華で美味しそうな料理である。それも文明レベルを気にしなくてもよさそうなほど。
手で鷲掴みといわけではないのでだされた料理と一緒にフォークとナイフをだされたのだ。
それを手に取る前に、手を合わせてから。
「いただきます」
国民習慣である食事前の挨拶をする。皆もすこしバラバラであるが各々に手を合わせて「いただきます」といってから食事を始めている。
自分もフォークとナイフを手にとって、
肉を切り分けて、ソースと絡めてから一口食べる。
「美味しい」
肉質わ味は牛にちかいようで、ソースはほんのりと甘味に酸味のある。
ご飯と一緒に食べたいが白飯はなく。パンもないけど、お肉やキノコを食べていくと意外とお腹いっぱいになった。
皆も美味しかったのか、誰もとくにしゃべることなく食事は筒がなくおわりデザートとして果物が出てきた。
そうして食事がおわり、そわそわとした空気はどこにやらというべきに皆が思い思いに朝食の感想を話している。
自分も幼馴染みの三人と話していると皇さんが手を叩いて視線を集めてから話し出した。
「それじゃあ、今後の予定を言うかろ皆聞いて」
今日や明日からどのような行動をするか、朝から話していたが改めて共有することに。
「皆にはまずは元の世界に帰るまえに、この世界で生きていけるように強くなってもらいます。そのためにも私は王様に勇者として魔王軍との戦争に参加することを伝えます」
今日の朝から散々話し合ってきたことであるために皆もとくに色んなく進んでいく。
すこしだけ緊張感があるもそれはしかたいこと。
自分達は戦争に参加する。その言葉の重みに日本人は耐えれるのか。世界大戦で大敗した日本の国民である自分達で、戦争後以降は平和であり続けた自分達はなにか、道を踏み外していないかと心配になるほど。
それでも皆は決めた。これが最悪な結果にならないことだけが心残りだ。
「それと同時進行でこの世界のことをしるために座学と異世界に帰るためにも魔術のことを学べるように王様に伝えようと思ってます」
生き残るために必要なこととして強さだけではなく知識もないと、まえの世界と同じように過ごしていては認識の齟齬によるトラブルやこの世界特有な事象に出くわした場合の対処ができない。この世界を生き抜くために必要なこと。
魔術も知識と同じようにこの世界特有の事象、それをしらないとどんなトラブルに巻き込まれるか分からない。ただそれと同時に元の世界にかためには100パーセント必要になるだろうと予測してのこと。
この1ヶ月ぐらいは強くなるための訓練、この世界についての勉強、帰るための魔術の勉強と詰め込み過ぎてぐらいに詰め込んでいくようだ。
そこにすこしだけ焦りのような行動指針ではあるが皆も概ね納得している。
「それじゃあ、私と宿木くんで王様に伝えてくるから皆は少しだけ待っていてね……ああ、それと今日から始めるからそのつもりでお願いします」
最後に思っていなかったことをいったから部屋から出た二人をあとに絶叫が上がった。




