在り来りの説明
ザォクェホ・ペアニヌ王から異世界転移の事のあらまし説明された。
この世界には魔族と呼ばれる種族がいる。その中で魔王と認定された者が魔族の王となり、魔族の指針を定めていくことになる。
今回の魔王が人類の中で一番の種族は魔族であり人類の支配者であるべきであり、その他の種族は奴隷として家畜としてあることが摂理だと。
魔族至上主義でそれも過激派の中のド過激という危険性であり、年を繰越すごとに軍拡が進んでいる。
魔族の国であるパヌア国の周辺国家はいつ戦争を仕掛けられるか分からない、緊張状態がここ数年続いている。
ペアニヌ国も軍備増強を進めているがパヌア国には追い付けず地政的には良いとはいえない状況であると。そして3ヶ月前に戦争の準備ともいえることをパヌア国が行っていることに察知して、戦争は早くても五ヶ月後に行われると。
あと戦争まで2ヶ月、戦争が起きれば劣勢のまま押されて国が落ちることは明白と判断してザォクェホ王が今回の異世界召還を行ったと。
ただ異世界召還でも特別な勇者召還と呼ばれる者であり、勇者とは魔王を倒す者であり、魔王の天敵である。
それで呼ばれたのがあのクラスルームにいた者達。白い四葉「ホワイトクローバー」クラスの全員である27人と担任が一人、ホームルーム前に遊びに来ていた幼馴染みの遍と風音の二人で合わせて三十人。
ということらしいがザォクェホ王は混乱しているだろうかと、ここではない客室でじっくりと休みながら考えたほうがいいだろうと。
王が隣にいた白いローブを着ている女性に、客室まで付き添い分からないことがあったら質問に答えるようにと仰せつかられていた。
王やその家臣たちが暗くすこしじめっとした牢屋にも監獄にも儀式場にも似たここから退出していって変わりに一人のメイドが入ってきた。
自分達を一瞥してから自己紹介を始めた。
「王様より、お客様を客室まで案内をすることになりましたペアナクェルと申します、どのようなことでもお申し付けください」
最後にお辞儀をして、頭を下げると同時にチラッと隣にいる白いローブの女性を見た。それに気づいた彼女は次は自分がと自己紹介をする。
「どうも皆さん、ペアニヌ国の国定魔術師を務めていますヘニヒ・テニアィヌアです。何か聞きたいことがあればどうぞ、遠慮なく聞いていてください」
と軽く自己紹介が済むと客室まで案内されて部屋を出る。
メイドのペアナクェルさんと魔術師のテニアィヌアさん部屋を出て、それに従うように皆が部屋から出るように歩く。
自分はその中で幼馴染みと合流する。
「大丈夫か、皆?」
自分の元に集まった幼馴染みの遍、風音、緑朗の三人。
遍と風音は少し顔色が悪く、緑朗は特になんともなさそうであるが少し歯切れが悪い返事をする緑朗。
「まあ、大丈夫だが……なんとも言えない気持ちだな」
いつも落ちつている緑朗でも困惑が隠せないようた。それに同意するように遍と風音も続けていう。
「体に不調とかは確かにないけど、どうしたらいいのかさっぱりね……はぁ」
「はい、突然のことと利害しがたいことが起きると不安ですね」
「そうだね……自分もよく分からない。ラノベの異世界転移が実際に起きたらこうなるか」
「まあ、このまま話していたいが置いていかれないように皆についていこうか」
緑朗が最後にそう言うと自分達も部屋から出て皆に後ろにつく。
部屋から出れば当然とばかりに石でできた建物は現代を思わせないリアリティがあり、少し肌寒さを感じながら皆についていく。
重い空気を引き連れて王城の廊下を歩く。先ほどまで幼馴染み達と話していたが空気にのまれて誰も話さなくなる。それが余計に重苦しさをのせていた。
せめて廊下が明るければと思う。
ここは廊下とあって窓があり、そこから見える景色は朝日に照らされる風景であれば少しはこの空気が和らぐだろう。
おあいにく窓の外は真っ黒であり今が夜だと簡単に教えてくれている。廊下には松明による明かりが灯っているが、今まで歩いたこともない考えたこともない王城の廊下は暗くじめっとしていて長く硬くコツコツと足音だけが響く。
三十人もの足音が響けば、怖いという恐怖心はないけどこれが現実であるという実感を与えてくる。
実感がどうしようもない不安を募らせていく、それに耐えかねたのか風音が不安そうに手を握ってきた。突然手を握られたためにびくりとして風音を見るが不安で不安でいっぱいで仕方ないとばかりに胸を空くような寂しい顔をしている。
その顔を視てしまえば手を離すことはできず、優しく握り返す。それで風音もびくりとした様子だが少しだけ微笑んだ。
ほっとした気持ちになっていると遍に学生服の袖を摘ままれる。
手を握るのは恥ずかしいようで袖を摘ままれ、風音と同じように不安が溢れてしまったのだろう。
遍は弱気になる状況であれば気丈に振る舞おうとして自分の弱さを見せないようにするが、異世界はさすがにキャパオーバーのようだ。
幼馴染み二人に頼られている自分は怖さを不安を弱音を決して二人には見せないようにバレないように、前を見て二人より少しだけ前を歩いて二人を連れていく。
そんな自分を隣で見ていると当然集まって行動した緑朗にはそれをがっつりとみられて、顔がニヤニヤとしている。意外と余裕があるらしい緑朗に呆れる。
視線を隣の緑朗から外して、自分達を客室へと連れていってくれる先頭にいるメイドのペアナクェルさんと魔術師のテニアィヌアさんを見る。
テニアィヌアさんは特になんととないために、ペアナクェルさんを見る。
ザッメイド服を着て、左右に団子状に纏められている金色の髪に、自己紹介があった時にみた赤茶の瞳。
中学生ぐらい背丈の子であり、客室の案内のときに聞いた声からは理性的な淡々としたものであった。
特に見映えは変わらぬ廊下をそのまま数分と歩いていると先頭にいたペアナクェさんルが止まり、群体は動きを止める。そしてペアナクェルさんが声を張り上げて、知らせてくれる。
「ここがお客様に使ってもらうことになる客室です。お客様どうぞ中へ」
案内された客室へと皆がぞろぞろと入っていくと、明るく灯って全体的に明るく大きなソファーや机に床にはカーペットが敷かれている豪華な部屋であった。
豪華かな内装がされている部屋には現代人であっても驚くものがある。ただ皇さんが、皆に声をかけると呆気も散る
「はいはい、皆。一先ず、皆は楽にしてね……いいですよね?」
最後に問題ないかと尋ねるようにメイドのほうを見た。
「はい、問題ありません。ここはお客様のために用意した客室でありますから」
問題がないと分かると皇さんの声掛けにより皆が思い思いにソファーや椅子、そのままカーペットが敷かれている床に座りこんでいたりと。皆が疲れている何をしたわけでもないも。
自分も疲れていたのかカーペットに座り込む。それにつられて幼馴染み三人も座る。
先ほどまで気が張っていたがすっかりこの部屋をみてしまったら張りぱっなしの気は簡単にほどけた。学校とは違って休み時間に友達と雑談をするようなことはなく。
座ろうとしない皇さんともう一人、宿木 定眼がメイドと魔術師に話しかけるその前に自分達には「皆は聞いているだけでいいか、そのまま聞いていて」と声を掛けてから話しかける。
「今の事や今後のことを皆と話すにしても、情報不足であることは明らかです。それでこの世界のことについて質問をしたいのですが、二人ともよろしいですか?」
二人とも頷いたのを確認してから皇さんは質問をしていくことになる。




