第81話
ベラさんを連れ立って『すぐやる課』へ来た僕達はまずお茶の準備をした。
朝からスミス親方の襲来で荷物の受け取り、かき氷機の試運転と試食会と盛りだくさんだったので休憩をしたかった。
バリーさんがお茶の準備をしている間、ウィルさんとベラさんが隣同士に座って話している。
僕は正面に座るか。
「スキルを知るために鑑定の魔法陣を使うのだけど…この鑑定の魔法陣について公に知られたら今色々とまずいんだ。この契約書には鑑定の魔法陣が公になるまで話してはいけないことが書いてあるから問題がなければ署名して。」
ベラさんが契約書を一読し、署名をしている。
これで鑑定の魔法陣が使えてスキルの正体が分かる。
署名をし終わったら今度は僕の話になった。
ベラさんから『異界はどんな所か?魔法陣はあるのか?技術は?』と矢継ぎ早に質問をされた。
バリーさんからお茶を受け取り答えられる範囲で丁寧に答えた。
技術のことに関しては想像がつかないのかクエスチョンマークが宙に浮かんでいるようだった。
「異界にはそのような技術があるのですねぇ…」
「前も聞きましたが魔法陣なしで動く道具はやはりよく分からないですね。」
「魔物もいないと言う世界がやはり理解できません…」
やはり目の前にモノがないと信じられないよなぁ。
僕も魔法陣がある、インターネットが無い世界というのは見るまで信じられなかった。
お茶も飲み終わり、いよいよベラさんの鑑定をすることになった。
ウィルさんがベラさんに鑑定の魔法陣をかける。
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名前:ベラ
年齢:21
スキル:金属加工
備考:スミス鍛冶工房の一人娘。
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金属加工なら鉄以外もいけそうだな。
「ベラちゃん、スキルのところを触れてみて。追加の情報が表示されるから。」
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自分の力で持てる程度の大きさの金属までを加工します。
※1.加工をするには金属に触れて加工する形を想像します
※2.加工できる条件は対象の金属に長時間触れなければなりません
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…2つ目の注意書きだな。
どれほど触れていないといけないんだろうか?
「そっか…長時間触れていないと駄目だったんだ…」
「ベラちゃん小さい時ずっと鉄を持っていたもんね。」
「遊び道具がそれしかなかったからね。長時間ってどれくらいだろう?それはまた触れれば出ますか?」
「念のため触れていただけますか?」
ベラさんが『長時間』あたりを触れても何も反応はない…
こればかりは検証するしかないが…
「柴田さん、情報が出ないということは試すしかないですかね?」
「えぇ、こればかりは試すしかありません。しかし、長時間触れるという説明ですがどこまで触れているという判定になるのか…」
「柴田様、どういうことですか?」
「多分小さい頃のベラさんは鉄を手で持って遊んでいたかと思います。手ではなく足であったり、腹や背中といった部位でも触れたことになるのかが気になります。ベラさんは鍛冶工房での仕事もありますので、手以外で触れての検証を進めてもいいのかなぁっと。」
「そうですね、後は触れている金属について定期的にスキルが使えるか検証してどのくらいの時間であるかも記録してほしいですね。全て同じ時間なのか金属によって差があるのか…」
ウィルさんに言ってもらいたいことは言ってもらったな。
「…あの頃は1日中触っていましたが、スキルが使えるようになるまで検証をする感じですか?」
うーん、時間について目安がわかれば良いのだが…
この世界の魔法陣やスキルには規則性があると思う。
……まさかこれもフィボナッチ数列じゃ無いよな?




