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第80話

皆、美味しそうにかき氷を食べている。


この世界でもかき氷は受け入れられそうだな。


「柴田さん、このかき氷美味しいですね!そろそろ暑い時期になるのでより美味しさを感じられそうです。」


「暑い時期に飲食店にあれば絶対頼みます!」


ウィルさんとベラさんが食べながら言ってくれる。


そうだよなぁ、かき氷を知っていれば夏に『氷』と書かれたのぼりを見ると買いたくなる。


他の皆も思い思い食べている。


伯爵様は幸せそうな顔で食べているし、その横でアーロンさんはマッテオさん達が作ったシロップを2種かけて食べている。


エディンさんはかき氷機に興味があるようでハンドルを少しずつ回しながら削れる過程を観察しているようだ、先ほどから削り担当になっている。


バリーさんとスミス親方は何度もお代わりしているな。


そしてマッテオさん達は…


何かを話し合っている。


聞いてみよう。


「マッテオさん、ポールさん、ニケさん。この2種類のソースとても美味しかったです。短期間でこれほどのものができると思いませんでした。」


「柴田様、ありがとうございます。このかき氷機ですがこの氷の形状が正式なものなのでしょうか?」


「えーと、どういうことでしょうか?」


「ソースの試作の際に氷を削っていてこの氷も良かったのですがフワフワとした削りもできてそちらも美味しく感じましたので…」


マッテオさん、技術でそこに辿り着いたのか?


刃の調整ができるならその意見を取り入れたいけどスミス親方に相談だな。


「そのかき氷も美味しいのでスミス親方に相談に行きましょう。」


マッテオさん達とスミス親方のところに行き、フワフワのかき氷について話すと少し考えて答えた。


「刃の高さとか角度の調節になると思うが出来るぞ。マッテオ、1度削ってみろ。」


スミス親方に促されてマッテオさんがブロック氷を魔道具で出して削り出した。


見る見るうちにフワフワの感じがする氷が削れていく。


親方はじっと観察をしている。


「マッテオ、刃の入れ具合はどの程度だ。」


「え、撫でる感覚で削っています。」


「…大体わかった、刃の高さを調節すれば出来るかもな。1度持ち帰って調整しても良いか?」


「それでしたら親方、もう1台お願いしますわ。明日もかき氷を楽しみたいので。」


「分かったがこれを街でも食べれるようにしてくれ。暑い時期にこれは食べたくなる。」


「考えておきましょう。氷の魔道具が問題ですが領主主導の屋台なら…可能ね。それなら2台追加でお願いするわ。」


「わかった、今度作るやつは刃の高さを調整するやつになるが…柴田!こちらで図面を変更しても良いか!?」


「はい、スミス親方なら完全なものができると思うのでお任せします。」


「おう、任せておけ!それじゃあ、早速工房に戻って作るわ。」


そう言うとスミス親方はベラさんを置いて帰って行った…


嵐みたいな人だな。


さて、かき氷についてのお披露目が終わった。


後はベラさんが鑑定の魔法陣を受けるかどうかだが、どうするのだろう?


「それでベラちゃん、スキルについて知りたいかどうか決めた?」


「はい、自分のスキルのことが分かるのでしたら知りたいです!鉄しか加工できないのかどうなのかはっきり知りたいです。」


ちゃんと考えて決めたみたいだな。がっかりする結果になるかもしれないけど、はっきり分かるならそれはそれで良いと思う。


「ではウィル、ベラさんに口外禁止の契約書を書いてもらってから鑑定をするのよ。私は執務に戻るわね。」


そう言うと伯爵様達は厨房を後にした。


『すぐやる課』の部屋に向かう前にマッテオさん達に、また新しいかき氷の味期待していますと言うと『勿論です』と頼もしい返事が返ってきた。


期待しよう。


さて、次はいよいよベラさんの鑑定だ。

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