第66話
printfが出来たから次はファイル出力を試してみるか。
コンピュータ上でのファイル出力は主にテキスト形式のデータだが魔法陣ではどうなるのか。
========================================
#include <stdmagic.h>
int main(void) {
FILE *fp;
fp = fopen("test.txt", "w");
fprintf(fp, "風呂は浴槽が必要です。\n");
fclose(fp);
return 0;
}
========================================
さて書けたところで魔法陣化をして刻印を押す。
それで魔石を魔法陣につけると。
カサッ
紙が出るのか!?
しかし、読めないな。
「ウィルさん、バリーさんこちら読めますか?」
「『風呂は浴槽が必要です。』と記載されていますね。これが出力の記載の検証結果でしょうか?」
「紙が出てくるのは少し予想外でしたが納得は出来るものなので今後活かせると思います。」
「……柴田さん、この紙すごく上質な紙のような気がするのですが?」
そうなのか?触った感じA4の印刷紙のような感じだが…
「柴田さん、この紙って白紙のものも出せますか?この紙売れると思いますよ、少し試し書きさせてもらいましたがインクのノリが良いです!」
「確かにこの紙は書きやすそうですね。貴族だけではなく騎士団の方でも使いたいですね、あとは商人、それから教会の方でも…」
この世界の紙はざらつきがあるが書けなくはない。
本当に売れるのだろうか?
「母上に報告した方がいいですね、新たな事業になるかと思います。」
「同意します。しかし既存の製紙業と差別化した方が良いと思いますがこれは高級品としてなら競合しないかと…」
うーん、売れるかどうか分からないが売れるモノなら売ってもいいのかな?
「これは急ぎではありませんが母上に報告しましょう。『魔法陣すぐやる課』では今後の書類作成はこちらを使いましょう。」
「しかし、柴田様が何かをされると何かが起こりますね…」
そんなつもりはないんだけどなぁ、流石に紙は怒られないよな?
今後使うなら大量に用意した方が良いな。
for文で1000枚出せるようにするか。
僕は早速for文を使って1000回ファイルの出力する魔法陣を用意した。
おっと、白紙で出すから文字は出力しないようにしてっと。
「柴田様、何をされているのでしょうか?」
「いえ、これからこの紙を大量に使うなら用意をしようと思いまして。」
僕は刻印を押し、魔石をつけて起動させた。
どさっ
大量の紙が出てきて床に落ちそうになったがバリーさんが慌てて紙を押さえてそれを阻止してくれた。
印刷紙1000枚って重いよな…
バリーさんに手伝ってもらってどこか収納するところに運ぼう。
しかし、2人とも黙っているがどうしたのだろうか?
「……はぁ、やりすぎです。」
「…まぁ、屋敷内でも相当な数を消費するし。」
…怒られそうな雰囲気だな、やってしまったものは仕方ないし実用性があれば問題ないだろう。
それにこの出力の検証でこの国で使用されている文字で紙に印刷されることが分かったし、文字の読みさえ出来れば何とかなりそうだな。
「そう言えば試作品の検証はどうするのですか?」
「ひとまず母上に現在の検証結果を報告してこのまま続けるかどうかの判断を仰ごうかと。」
「そう言えば元いた世界では製品には最低保証がありましたね。耐久回数はこれくらいを最低保証すると言った文言を使用すればいいと思いますよ。製品版についても無作為で選んだモノについて同じく4000回使用可能か検証して品質保証しなければなりませんが…」
「それは柴田様の世界の知識でしょうか?我々も普段はこのような検証をしていないので魔石が砕けるまでやるべきなのか疑問に思いまして…」
この世界でメーカー保証という考えがあるかは分からないがこう言った考え方を導入したとしても大きな問題にはならないだろう。
僕はウィルさんとバリーさんに元いた世界のメーカー保証の考えを話すと真剣に頷きながら聞いてくれた。
時折紙にメモをとっている。
「それはいい考えですね、この考えが広まれば工房の競い合いが発生してより良いものが生まれるかもしれないですね!」
「逆に商人の方ではあまり受け入れられない考えですね、儲けが少なくなると考えるかもしれません。」
うーん、長期的に見ればお得意様になってくれるかもしれないという考えも出来るがそこは領主の伯爵様の判断だな。
「ひとまずは母上に報告に行きましょうか。」




