間話8
フリー・エンエヌ第4王子視点2
王宮に戻って来てから異界から召喚された柴田君の報告、改良した鑑定魔法陣の有用性。
そして、可変出力が出来る魔法陣を話し終えた。
改良した鑑定の魔法陣については秘密裏に調査をする手段として活用することにし、可変出力の魔法陣については反政権・妨害勢力を一掃した後に有識者を集めて規格を決める方針となった。
まぁ、妥当なところだねぇ。
友好国からも打診があるかもしれないけどそこは外交次第かねぇ。
転移魔法陣を使用しただけの成果を見せたところで次は水についての話だ。
最初は皆、半信半疑だったが実際に煮沸をしていない水を鑑定してみせると驚いていた。
伯爵邸の料理人が言っていた異界人のソフィアさんが出版した本にそれらしいことも載っていることを付け加えた。
父上は『改めて国民へ周知させるぞ!』と息巻いているが話はまだ終わってないんだよなぁ。
柴田くんからの助言でこの国での飲み水として使用される可能性のある水源を調査するべきことを伝えた。
皆最初は面倒なことをと聞いていたが命に関わることになると真剣な顔になった。
「まさかそのような毒物が溶けている水があるかもとは思いもよらぬ。こちらの調査は今すぐにでも始めよう。すぐ関係する大臣…いや、あやつは良からぬ噂があるな。フリー、予算をつけるから諜報の方で調査は出来るか?」
まぁ、すでに命じているけど予算がつくならありがたく頂戴しようかな。
「それにしてもその柴田さんは面白いね。私も会ってみたいよ。」
「ログ兄さん、そのうち紹介しますよ。1週間ほどですが共に行動していて飽きませんでしたよ。予想外のことをしでかしますし。」
「フリーが飽きないっていうなら、私も会ってみたいな。」
次男のシン兄さんにその横で首を縦に振る三男のストレン兄さん。
シン兄さんは今擦り寄られている大臣を何とかしないと会わせられないな。
ストレン兄さんに柴田君を会わせても会話できるのかなぁ?
兄さん無口すぎるし。
「フリー、報告はこれで終わりか?」
「後、最後は柴田君が作った変わった食べ物だ。」
私が冷蔵、冷凍の瓶を置くと皆不思議そうな顔をした。
まぁ、これを置いただけじゃ何の話かわからないよねぇ。
「これは現在『魔法陣すぐやる課』で実験中のものなんだけどぉ…まずは食べて貰おうかな。あ、毒見は不要だよぉ。これを作った場は私も立ち会っていますしこのように今食べても倒れませんので。」
それを見て皆手を伸ばした。
「冷たいな、シワシワだがブルーベリーか?」
「こちらは輪切のオレンジに見えますね。」
「まぁ、まずは食べてみてよぉ。」
皆口に含むと驚いた顔をしている。
「美味いな、何か特別な調理法なのか?」
「これ実は、乾燥の魔法陣で乾燥させただけの果物なんですよぉ。柴田君が突然作り始めた時驚いたなぁ、まさかこんなに美味しく…あぁ、でもこれは日数経っているからだいぶ味が落ちているんですよねぇ。」
「何!?作りたてはもっと美味しかったのか!?…いや、ちょっと待て。フリー、これはいつ作った?」
「王宮へ出発する前日に作ったので4日前ですね。後、これを鑑定してみますねぇ。」
私は冷蔵のドライフルーツに鑑定の魔法陣をかけた。
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名前:ドライフルーツ
製造年月日:エンエヌ王国暦2257年6月5日
構成要素:葡萄、ブルーベリー、オレンジ
備考:貧血/むくみ/便秘 を改善、美容に効果あり。効果は通常作成のものと比較で20倍異なる。
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皆絶句しているな。効果についても作りたては100倍だよと言うとどよめいた。
そうだよねぇ、ハワード伯爵もすごい食いつきだったからねぇ。
「フリーよ、このドライフルーツの話は王妃に伝えたか?」
「まだですが伝えないつもりですか?」
「いや、今はやることが多すぎるから後にしよう…」
「何を後にするのですか?」
部屋のドアが開き、母上である王妃が入って来た。
「異界の者の話を聞こうと待っていましたがいくら待ってもフリーが来ないのでこちらに来ましたが何時ごろ終わるのかしら?あら、これは何かしら?」
母上に見つかったか…
こういう時の母上の勘の良さと言うのは凄いよなぁ。
そこから母上へのドライフルーツの説明と鑑定結果を見せると顔は笑顔だが後回しにされそうになったという怒りのような感情が父上に向いた。
冷蔵、冷凍を使った流通の話もしたかったが明日になるかなぁ。
ひとまず父上と母上が落ち着くまでログ兄さんを中心として別室で話そう。




