第57話
「それで、報告というのは何でしょうか?」
「母上、私から説明します。」
ウィルさんは今日これまでの出来事をかいつまんで説明した。
聞いていくうちに伯爵様は眉間を押さえて長いため息をついた、モノに意識が芽生えると言うのはファンタジーっぽいが常識ではなかったからなぁ。
「はぁ…フリー王子の影から伝わるでしょうけど王宮へ遣いをやりましょう。それでその氷入りの水は美味しいのですか?」
「はい、冷たくて美味しいと感じました。柴田さんの世界では暑い時期に水を取らないと倒れるとか…」
「…柴田様、そのお話詳しく聞いても良いですか?」
伯爵様が真剣な顔をして聞いてきた、知っている範囲でしっかり話そう。
僕は脱水症について症状と原因、対策を話した。
専門家ではないので詳しくはないが汗等で体から水分が失われると言うことが伝われば良い。
話終わると伯爵様は口を開いた。
「柴田様、氷の魔道具ですが作るのは難しいでしょうか?」
「いえ、難しくないです。ただ出る氷の大きさに少し難があるかなというくらいです。」
氷の大きさだけどもっと小さくできないかなぁ…
魔法陣だと検証するウィルさん、バリーさんに危険が及ぶかもしれないが魔法陣なら僕だけが被害被るだけだしやってみようかな。
「少し思いついた事があるので実験してみていいですか?」
「…………えぇ、どうぞ。」
なんか沈黙が長かったが伯爵様の許可をもらったので持ち歩いていた板にプログラムを書き込む。
前からやってみたいと思っていたが人を実験台にはしたくなく控えていた。
数だけじゃなくて大きさも内部で管理されているのではないかと。
メイン関数内に直接god_apiも書けるはずだから…
うん、ものすごいシンプルだがこれで動くんじゃないか?
========================================
#include <stdmagic.h>
int main(void)
{
god_api(MAGIC_SERVER_URL, "magic=ice&number=1&size=1");
return 0;
}
========================================
これを魔法陣化してウィルさんが押していたあのスタンプ?
いや、金属製だし刻印と呼んだ方がいいな。
この刻印を魔法陣と出力箇所に押し付けてと…淡く光ったな。
あとは魔法陣に魔石をつけると…出ない?
失敗したか…
あ!?
よく見ると出力口に小さい氷がある!?
と言うことはsizeの指定は出来て単位は長さ1ミリと言う感じか?
「あの、柴田様。何をされているのですか?」
「え?あぁ、大きさの指定はできないかと推測でやってみたら出来ました。これでグラスに入れやすくなると思います。」
「あれ?柴田さん、魔法一覧では出す数の指定だけと書いてありましたよね?」
「はい、おっしゃる通りです。ただ数の指定が出来て大きさの指定が出来ないのはおかしいと思いまして、元の世界の単語を入れて試したら予想は当たりましたね。今グラスに適切な大きさのものを作りますね。」
1だと1ミリ程度だから15にしてみるか、グラスにも入る丁度いい大きさだ。
しかし、僕は思い違いをしていた…




