第49話
ここから第2章となります。
引き続きお読みいただければ幸いです。
フリー王子が王宮へ向かって5日が経った。
『魔法陣すぐやる課』は平穏な日々を過ごしている。
時折伯爵様からドライフルーツの作成依頼が来るがウィルさんかバリーさんが対応をしている。
そのドライフルーツなのだが効果が日が経つにつれて減少しているという発見があった。
2日目にウィルさんが鑑定で検証をしていると『あれ?あれ?』と言うのを聞きバリーさんと鑑定結果を見たら初日より効果が落ちていたのだ。
徐々にと思ったが比例のグラフを思い出す減り方だった。
それに冷蔵と冷凍とでも減少の幅が違った。
冷蔵が20ずつ減っていくのに対して冷凍は1または2ずつ減っていっている。
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『冷蔵』
100倍 → 80倍 → 60倍 → 40倍
『冷凍』
100倍 → 99倍 → 98倍 → 96倍
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ウィルさん、バリーさんと話し合い、常温だとどうだろうということで昨日から常温でも検証をしている。
本日2日目だがすでに効果は50倍と下がっている。
また味や食感はどうだろうかと1個ずつ食べている。
「もうすぐ暑い時期が来るのでこういった冷たいモノがあるとありがたいです。」
なるほどもうすぐ暑い時期、夏なのか…暑いのは苦手なんだよなぁ。
「私はどちらでも美味しく食べられます。」
ウィルさんはどちらでも良さそうだ。
僕の感想だが冷蔵の方は食感は変わらず、味は1日毎に風味、味が下がっている気がする。
冷凍の方は冷凍をすることでアイスのように冷たいが風味や味に関しては冷たいと言うこともあり、そこまで敏感にはわからない。
食感は若干違うかなと思うくらいだ。
常温の方は初日に比べるとという感じで流石に風味や味は分かるレベルだ。
魔法陣を介して得られる効果が時間経過で落ちていくとはなぁ。
この検証の傍、元いた世界の国の仕組みについてまとめていた。
あくまで住んでいた日本での話だがウィルさん、バリーさんも異世界の話だからか興味津々だ。
バリーさんから聞いたのか伯爵様達まで聞きに来た、ドライフルーツの瓶を持参して。
まず、全体像を話したときに貴族や国王ではなく国民が選んだ代表者が政治をしていることに驚いていた。
「柴田様の世界では国民が王を選ぶのですかっ!?」
「いや、正確には少し違いますが…」
少し誤解を生じながらも説明を続ける。
三権分立の説明についてはこの国でも該当する組織はあるようだ。
ただ、裁判所については伯爵様から『専門の機関があるのね』と呟かれたのでこの世界はどうなのか聞いてみたところ各領地で働く騎士団、領主が兼任している事が分かった。
重大な事件や広域にまたがる犯罪の場合は王都に送られ王国の法律で裁かれる様だ。
大枠を話したところで次に国としてどの様に運営をしているのかということを話す。
日本における省庁と役割を話すとそんなに細分化をしているのかと驚かれた。
こちらの世界では役割について兼任や曖昧になっているものが多いそうだ。
あぁ、そうなると領主である伯爵様は色々兼任な感じだから…
考えただけでも恐ろしい、過労死してしまう…
その辺りは今後フリー王子に期待かな?
「柴田様、私から一つよろしいでしょうか?」
「はい、エディンさん何でしょうか?」
「柴田様の世界では災害や他国からの防衛を取りまとめる組織があるのは分かりましたが犯罪も取り締まるのでしょうか?先ほど防衛の中でそのような説明がなかったのですが…」
あぁ、やっぱりそこが気になるかぁ。
日本の治安維持を担う警察を説明するとなると少し面倒なんだよなぁ。
簡単に説明をするか。
「僕のいた国では治安に関する組織はあります。ただし、政治的中立性を確保するため特別な管理の仕組みで運営をしています。」
「…つまりは王命がなくとも貴族等の権力者も取り締まれるということですね?」
概ねその理解であっている、エディンさんに合っていますと言うと『なるほど…』と納得したようだ。
しかし、エディンさんが言っていた王命がないと取り締まれないとなるとこの世界の権力者はやりたい放題…出来ないか。
フリー王子率いる諜報部隊が目を光らせているから無理だな。
そういえばフリー王子は王都に着いて色々報告しているのだろうか?




