間話4
メアリー・ハワード伯爵視点2
異界のもの柴田様を屋敷で保護してからというものとある貴族にゆかりのある者の来訪や挨拶の品といった贈答品が数多く届く様になりました。
通常の執務の他にイレギュラーな対応があるのは仕方がないとは言えこれは流石に手が回らなくなります。
柴田様が来て次の日、アーロンから『屋敷の者ではない者が潜り込んでいますがいかがいたしますか?』って。
どこに所属するものかを聞くと『おそらく国の影かと…』って排除も何もできないじゃない!
もう柴田様のことが伝わったのね…
しかし、影がいるからといって王宮への報告を怠るのは義務に反しますのでやりますとも。
通常の執務が遅れようとも最優先で行わなければならないことですから。
柴田様も柴田様で次から次へと新しい魔法陣を発見なさるのでその度に王宮への報告も必要になりしばらく夜遅くまで対応に追われる日々が続くと覚悟しておりました。
唯一の救いは柴田様自身は善人でメイド達にも丁寧に接するということでしょうか。
すると柴田様が来て3日後、フリー第4王子が転移の魔法陣を使って屋敷へ来訪しました。
影がいるからもしやとは思いましたが一言くらいあっても良いじゃないですか。
出迎えの準備や警備体制等やることがたくさんあるのです!
王子が言うには抜き打ちの視察との事ですが随分と怪しいものです。
息子のウィルが学院時代の先輩でもありますが魔法陣の研究にのめり込ませた原因の人でもありますので思うところはあります。
ほら!
ご自分の情報を簡単に開示しようとして学院時代からいい加減さは変わっていませんね!
…契約書の準備が必要になりました。
屋敷に戻ると屋敷の一室を研究所として使うと。
しかも公にはせず秘密裏に…また、ストレスの原因が増えました。
ここまで来ると異界のものが召喚されると起こる災害というのはこれのことかもしれません。
なぜ私だけ仕事が増え、心労の原因が増えるのかしら?
部屋の準備をするため部屋を出て部屋割りをそこそこに戻ると誰もいない…
…ふふふ、バリーがいながらあの者たちはどこに行ったのかしら?
しばらくすると3人が戻ってきました。
なぜいなかったのかを聞くと魔法陣の新しい発動のさせ方を検証してきたとか。
は?
出力を可変させる魔法陣?
一つの魔法陣でそれが出来るっ!?
…耳が遠くなったのかしら。
そんなことが出来たら我が国どころか他国からも問い合わせが来るわ。
下手したら開発者の柴田様は命を狙われる、柴田様に何かあれば責任問題として我が家は…
冗談じゃないわ、アーロンとエディンに虫一匹入らない様に警備体制の見直しを指示しないとっ!
え?
息子の異動辞令が陛下から?
…もうダメかもしれない…
数日後、フリー王子から気になることがあると話がありましたの。
何でも鑑定の検証でバリーが魔物を捕獲した時その魔物がレッドアイウルフだったと。
珍しいこともあるのねと思ったらそれが変異種で火球というスキルを持っていると。
召喚による災害の前触れかもしれないから周辺調査を行いたい、ついでに生物省と合同であらゆる生き物のデータを集めると。
鑑定の魔法陣を活用するのですね、では領地から食料や医療について支援準備を。
あとは土地勘のあるものを見繕っておきます。
災害が起こる前ならいくら準備しても間に合わないわ、今回は魔物の異常かもしれないという兆候が見られただけでも幸運だわ。
え?
それとは別件で3日後に面白いものを見せる?
フリー王子!?
一体何なのですか!?
3日後、応接室に行くと騒動の関係者が勢揃いしていましたわ。
いったい何が始まるのかと思っていると鑑定の魔法陣試作品披露会ですって!?
もう出来たの!?
息子のウィルだって長い時間かけないと出来なかったのに…
案の1、2を聞いてそれだけで放心状態になったのに最後の案を聞いた時は驚きました。
指定をせずとも鑑定が出来て魔法陣の模様が他と比べて簡易的なのです。
子供でも覚えられそうです。
乾燥の魔法で実験ねぇ、せっかくの果物がダメになるかもしれないわと思っていたらすごく美味しいわ。
これは屋敷に常備しておくべきね。
えぇ!?
貧血予防、むくみ改善、便秘解消に美容効果ですって!?
これは特産品としても社交界でも強力な武器になるわ。
柴田様は災害じゃないわ、恩恵をもたらす恩人だわ!




