第37話
ウィルさんに頼んで子供用の文字学習の本を貸してもらった。
まさか40を過ぎて他国…いや異世界の文字を覚えることになるとはなぁ。
ほんの少し期待していたアルファベットや漢字に似ているということはないかぁ、頑張って覚えるしかないか…
僕は文字の学習、ウィルさん、バリーさんが資料作成をしているとフリー王子が部屋に入ってきた。
「やぁ、明日は1回目の試作品披露だけど状況はどうかな?」
進捗確認だな、元の世界では憂鬱だったがこの世界では優秀な2人が揃っているから堂々と言える。
「はい、予定通り明日お見せすることができます。3つありますがすごい良いものができました。」
ウィルさん、バリーさんも頷いている。
2週間かかると見積もっていたが問題なかったな。
余った時間はウィルさんの論文の方にも手を出してみたいしstdmagic.hのインデックスもやらないとなぁ。
「楽しみにしているよぉ。そうそう、明日はハワード伯爵にも同席してもらうからねぇ。私がいない時、伯爵には代理になってもらうことになったからねぇ。その内、秘密裏にだけど父上から書状も届くはずだから。」
おいたわしや、伯爵様…
何か伯爵様へストレス軽減できるようなモノを考えなければ…
僕が伯爵様の心労を考えているとウィルさんがスッと立ち上がった。
「フリー王子!魔法陣学会へ提出する論文も作りたいのですが良いですか!?」
ウィルさん通常運行だな、母親のストレス増加の心配より論文か。
ウィルさんもなかなか周りの人間を振り回してきたんじゃないだろうか?
そう考えると『魔法陣すぐやる課』は伯爵様のストレス原因となる人で構成されているのか。
あ、バリーさんは違うか。
「んー、論文は書いてもいいけど提出する時期はこちらで判断しても良いかな?新しい鑑定の魔法陣自体に対して妨害をしてくる勢力が出てくると思うから、無力化するまでは待ってほしい。柴田君についても命を狙われるかもしれないからねぇ。今やっていることの情報が漏れたら…の話だけどねぇ。」
…そんなこと考えもしなかったな。
しかし考えてみると新しい鑑定の魔法陣は賞罰や危険度、他の情報も出るから良からぬ考えをしている人、またはスパイや犯罪を犯している人にとっては脅威になる。
その脅威を開発者した僕を排除する。
やばいやばいやばい。
召喚させられた上に命を狙われるなんて冗談じゃない。
…しかし身を守る術なんて知らないから何から始めれば良いんだ?
「あぁ、情報が漏れたらの話だから特に気にしなくて良いよぉ。伯爵邸の警備についても問題ないよ、アーロンは元王都の騎士団幹部を務めていたからね。僕の部下が潜入していたことにも気づいていたみたいだしね。」
え?アーロンさんってそんな経歴の人なの?
エディンさんも凄い有能な感じだったしなぁ。
近くにはバリーさんもいるから…まぁ、安心かな。
「まぁそういう理由から学会への報告は待っていてくれ。柴田君自身は危険度不明だけどねぇ。」
人が気にしていることを…
危険度については、これからサンプル数を集めればわかるはずだ。
「そのような表示があるのならみてみたいです!」
ウィルさん、傷を抉るようなことを…
「そうだね、私も直接はみていないから見ておこうかな。バリー君お願いするよ。」
バリーさんは申し訳なさそうに僕に鑑定の魔法陣を発動させた。
うーん、1ページ目は同じだな…
僕は鑑定結果に触れ、左へスワイプした。
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危険度:不明
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やはり変わらないな。
危険度もタップ出来ないかなと思い、タップした。
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計測中
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あ、出るんだ…
計測中ということはその内出るのかな?
「あの、柴田様そちらは…?」
「追加説明のようなものが出るかと思い触れてみたのですが出ましたね、どうやら計測中みたいです。触ったら表示される追加情報についても資料に記載しましょうか。」
「…柴田君、その追加で表示されるのは全ての項目が対象なのかな?」
「いえ、そこについては未検証です。こちらについては抜けておりましたのでこれから検証してまとめます。」
しまったな、鑑定結果の仕様についてすっかり抜け落ちていたな。
初めてのシステムとはいえ失敗したなぁ。
タップできる箇所がまだあるかもしれないからこの後検証をしないとなぁ。




