第36話
権限がない?
どこかで権限付与できるのか?
…と言うことは教会か?
魔法陣以外にも神託と言うライセンス申請はあるのか?
うーん、聞いてみるか?
「あの、バリーさん。魔法陣が使えるようになる神託以外でこう言うことができるようになる神託ってあります?」
「いえ、特には…新年を伝える神託くらいです。何か気になる事でも?」
「あ、いえ他にも教会でそういったものがあるのかなと思いまして。」
うーん、これ以上は分からないなぁ。
権限エラーだのアクセス拒否の話をしても意味がわからないだろうしな。
明日の段取りだけ確認して終わりますかね。
切り替えた僕はウィルさんとバリーさんで明日の作業内容の確認をした。
まぁ、作業内容は資料作成についてのことだったが話している感じ案4の指定無しで全対象がフリー王子が選ぶ最有力候補と言うことは分かった。
案1と2も検証までしたのでそのままお蔵入りと言うのは勿体無い気もするが仕方ないか。
その後は解散となり、自室に戻って食事を済ませた。
食事は美味しいのだがそろそろ醤油、味噌の味が恋しいな。
こちらで作れないか?
醤油も味噌も麹が必要だがまず麹を用意するには米がいる、この世界に米はあるのか?
いや、既に似た調味料があるかもしれない。
資料作成途中に雑談として話そう。
そう思いベッドに横たわった。
翌朝、食事を済ませ『すぐやる課』部屋へ向かう。
今日は資料作成をすれば完了だから気楽に行こう、そう決意をして部屋へ入ると一番乗りの様だ。
皆が来るまで資料の構成について考えておくか。
長くなればなるほど読みたくなくなるからな。
大まかに章立てをしたところでウィルさんとバリーさんが来た。
「おはようございます。ウィルさん、バリーさん。」
「柴田さん、おはようございます。早いですね。」
「柴田様、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。」
フリー王子が来るまで少しあるだろうからこの世界の資料がどんなものか聞いてみよう。
「ウィルさん、この世界の資料について教えていただきたいです。」
「はい、そう言われると思いまして鑑定の魔法陣の時に学会に提出した資料の控えを持ってきました。」
…相変わらず、すごい量だ。どんなことを書いているのだろうか?
不要なものは削いでいきたい。
ひとまずウィルさんに聞いてみたところ…
僕が知っている一般的な論文の章立てであるIMRaDではないが内容としては似ているところもある。
要旨がなく、冒頭から研究者の紹介が長々記載されている。誰を師事したや、師事した人は何をしたのかと言う内容だ。
こちらの世界にはインターネットはないし著書みたいなものもあるか分からないから必要なものなのだろう。
まぁ、今回は論文の様なかっちりしたものではなくフリー王子と言うよりは騎士団向けに分かりやすい資料作成が命題だ。
まず魔法陣自体の資料だが10ページ以内で収めておきたい。業務で使用するかつ、見てすぐに運用に入れる様にしなければならない。
一応どの様な資料を作るつもりか聞いてみた。
「ウィルさんはどう言う資料を作成するつもりでしたか?」
「え?はい、そうですね…今回は騎士団へ向けた資料作成となると考えます。数百枚にわたる資料を作成しても読む気がないと思います。
…5枚程度が理想ですかね。」
「私も数枚で収まるなら騎士団にも速やかに伝達できるかと考えます。騎士団の仕事は意外と多岐にわたっておりまして資料を読む時間もなかなか取れないのです。」
よし、認識が合っている。
バリーさんからも数枚の資料が推奨という意見を貰ったしその方向性で決まりだな。
僕達は資料の構成内容を話し合い章立てを決めた。
1ページ目は表紙。
鑑定の魔法陣について記載をし『魔法陣すぐやる課』の記載についてはフリー王子に一任することにした。
2ページ目は概要。
鑑定魔法陣の目的と効果について記載。
今までは人にのみ効果があったが人以外にもかけられるというのがポイントだ。
3、4ページ目は機能と仕様。
魔法陣そのものを掲載することと、各鑑定結果による表示内容の違いを記載をする。
ラスト5ページ目はまとめ。
改めて魔法陣の価値について記載することと問い合わせ先を書くかどうかだ。
これもフリー王子に一任するしかないな。
王宮用の資料も用意したほうがいいのかな?後で聞いてみるか。
方向性が決まったのでまた僕のやることがなくなった。
この世界の文字を覚えなければ手伝えないなぁ。
ウィルさんかバリーさんに文字を覚えるための本を貸してもらおう。




