第4話
「ありがとうございます。紙に書いた魔法陣はそのまま見えますが、実際の魔法陣は先ほどお見せした通り僕のいた世界の言語に見えます。」
伯爵様たちはそれを聞いて息を呑んだようだ。
しかし、僕のスキルは魔法陣を発動しないと意味ない感じだなぁ。
このままだとただ保護される無職の中年になってしまう。
寝てる間に勝手に召喚されたとはいえタダ飯食いにはなりたくないなぁ。
何か仕事を探さないと。
伯爵様の斡旋で仕事にありつけないかなぁ。
「伯爵様、保護される身ではあるのですが召喚される前は労働者でした。働かないで過ごすのも性に合わないので何か仕事を紹介していただけますか?」
「それなら息子と魔法陣の開発と検証はいかがかしら?」
おぉ、発動した魔法陣ならプログラムとして読めるし動かない原因を調査するのは今までやってきた仕事に酷似しているからありがたく受けよう。
「主様、ご子息は魔法省にお勤めですよ。国家の機密情報等はいかがするおつもりですか?」
「あら、その問題があったわねぇ…」
ボディーガードの一人、アーロンだったか。
その進言至極まともなのだが僕は今、無職中年になるかお役人の助手という職に就くかの瀬戸際だ。
少し口を出させてもらおう。
「あの、こちらの世界に機密保持契約と言うものはありますか?簡単にいうと仕事を進める上で重要な機密情報を保護するための取り決めといったものですが…」
「そのような言葉はありませんが契約の魔法陣ならありますよ。」
よし、その契約の魔法陣を使えばいいんじゃないか?
いや、待てよ。
契約違反時の効果が生死に関わるものだと危ないな。
まずは契約の魔法陣が、どんなものか聞いたほうがいいな。
「その契約の魔法陣というのはどう言ったものですか?」
「契約書を魔法陣に触れさせて発動するものです。契約者が契約と異なることをしようとするとその行動ができなくなり、1日拘束されます。国の仕事以外に商人の間でも使われていた魔法陣です。…しかし、数十年前から突然発動しなくなり使えなくなりましたが。」
なるほど、契約書は外部ファイル読み取りという感じだな。
文章内容については魔法陣に通すことによってテキストデータに変換できるのか?
かなり性能の良いOCRじゃないだろうか?
違反時の効果について1日拘束されるというのが気になるが命まで取られないのなら使えるなと思ったが、ある日突然使えなくなったと…
いやいやおかしいでしょ!誰か検証…
あぁ、模様だから明確に使えなくなった原因を掴むのは難しいのか。
でも僕のスキルなら原因のきっかけくらいは掴めるかもしれないな。
「ちなみに契約の魔法陣って見せていただくことって…」
「すいません、動かなくなってから国家の機密情報扱いになりましたので許可なくお見せすることができません。」
「そうですか…では、国家の機密情報にあたらないもので仕事をさせていただければと。」
「では、何か見繕っておきましょう。お目付役としてそこのバリーを付けさせていただきます。何かお困りごとがあればお申し付けください。これから騒動の後処理をしてきますので…」
伯爵様何か憂鬱そうだな?
僕のせいではないとはいえ、申し訳ないなぁ。
騒動の処理は僕ではどうしようもないしなぁ。
気持ちを切り替えてバリーさんに、この世界の常識と魔法陣について聞いてみよう。
バリーさんとうまく話せるといいが…




