第31話
さて魔法陣の用意もできたしウィルさん、バリーさんの様子を見てみよう。
ウィルさんすごい勢いで書いている…あの量をテストするのか?
バリーさんは何か手が止まっているな?
まずはウィルさんからだ。
「あの…ウィルさんすごい勢いで書かれていますがどのようなことを書かれているのでしょうか?」
「え?あぁ思いついたものを全て列挙していっています。思いつかなくなったら検証を始めると言うのが魔法陣の開発時に行なっている検証内容です。」
うーん、これは検証すべきケースを全て書き出せれば問題はないが重複や漏れの可能性大だなぁ。
あのテストの考え方でやってもらうか。
「ウィルさん、今回は少し検証の方法を変えてみましょう。私の世界ではIn/Outと言われるものですが…」
「ぜひ教えてください!」
おぉ、すごい食いつきだ。
こう言った知らない知識が好きなのだろうか?
バリーさんも興味あり気だ。
「In/Outとは入力を指す『インプット』と出力を指す『アウトプット』です。検証対象に特定の値を入力して、期待通りの結果が出力されるかを検証するといったものです。」
2人とも真剣な顔で聞いているな、なるべく分かりやすいように説明しよう。
「この検証は大きく3つ検証内容があります。1つ目は正常系テストと言われるものです。これは想定される正しい値を入力し、正しい処理結果が出力されるかを確認します。2つ目は異常系テストと言われるものです。想定していない値や不正な値を入力した際に、想定しない結果にならないかを確認します。」
ウィルさん、メモしながら聞いているな。
この考え方はこの世界にはなかったのかな?
「最後3つ目ですが境界値分析と言うものですが入力値の範囲の『閾値』を検証します。境界の内側と外側で正しく想定される結果が出るかを検証します。」
「柴田様、その『閾値』と言うのは…」
「そうですね、今回で言うと案1を例にしますと1から4が想定される値です。ですので1の閾値は0と1で、4の閾値は4と5になります。」
「なるほど……柴田さん、案2だと単語の判定になりますが魔物だと『まも』や『まものあ』等が閾値になると言う理解で良いでしょうか?」
ウィルさん理解が早いな、概ねその考えで正しい。
さすがは主席卒業といったところか。
しかし、『まも』は厳密には前方一致誤入力の異常系テストだがその辺りは追々分類分けをしていけばいいだろう。
「はい、その考えで問題ありません。この検証内容でしたら資料化もしやすいと思います。」
「ありがとうございます!このIn/Outで列挙したものをまとめていみます!」
ウィルさんの方はこれでいいな、にしてもすごい勢いで書いている…
次はバリーさんだ。
「バリーさんは手が止まっていましたがどうしましたか?」
「はい、案4の検証内容ですが数が少ないと思いまして…」
バリーさんは少なすぎて漏れがあるんじゃないかと心配になっているのか。
漏れはないと確信できればいいんだな。
そうしたら…
「バリーさん、では漏れがないと言うことを確定させるためにIn/Outとは違う考えでやってみましょう。」
「…そのようなものがあるのですか?」
ウィルさんも手を止める話を聞いている。
「それは…」




