第29話
王子は気になることがあるので伯爵様のところへ行くそうだ。
フリー王子が部屋を出て行ったが、僕たちは休憩するつもりはない。
さて…ウィルさんが書き連ねた仕様を説明してもらおう。
「では、ウィルさん。仕様についてご説明いただけますか?」
「もちろんです!では順に説明していきますね!まず1案目はそのまま1、2、3、4を発動時に思い浮かべることです。それ以外の数字を思い浮かべたときは何もしません。」
まずはセオリー通りだな、心配しすぎたか?
対象以外の入力については何もしないと言うのもいいな。
本当は入力内容が違いますみたいなエラー表示をさせたいが出来るか?
…まぁ課題だな。
「次に2案目ですがこの数字の入力に加え、『人間』と思い浮かべたら1、『物質』は2、『動物』だと3、最後に『魔物』は4として鑑定魔法を発動させます。」
うん、これもセオリー通りでいいな。
UIについてユーザに寄り添いつつ冒険をしていない。
しかし、そうなると残った紙の束はいったい…
「そして…これが3案目です!『人間』や『物質』といった1つの指定の仕方だけだと不便かと思い、それぞれに対応した呼び方をまとめました!」
げっ!?
まさかあの紙の束全てそれぞれの対象についての辞書を作ったのか!?
『動物』だと犬、猫、鳥とか実在する全ての固有名称を。
絶対漏れが出るし、運用が開始されて使用している内に『この言葉は対応しないのか?』と言うクレームが来るぞ。
それにこれをプログラム化したらすごく長くなって魔法陣の模様が複雑化するぞっ!?
「…ウィル殿、柴田様。少しよろしいでしょうか?」
ん?
バリーさんどうしたのだろうか?
「バリー、何か変なところあった?」
「変なところと言いますか…こちら指定がなかった場合の挙動は指定出来るのでしょうか?4種類ですし覚えられますが魔法陣に触れて念じてから発動させると言うのは咄嗟の時に指定ミスを起こすかもしれません。であれば使用頻度の高い対象を指定しなくても使えた方が良いと考えます。」
お!
すごくいいぞ。
入力がない場合のデフォルト値の考え方だな。
「その考えはすごくいいと思います。指定がない場合の入力はよく使う対象を指定するのがいいと思います。」
「その考えは抜けていました、さすがバリー。」
バリーさん少し照れている様だ。
そうなると案1、2でやるためにプログラムの長さと魔法陣の模様の関係について説明するか。
僕はウィルさんに説明するとふんふんと興味深そうに聞いてくれた。
フリー王子に見せた紙をじっくり観察している。
「なるほど…では仕様についてはなるべくシンプルなものが良いと言うことですね。」
「そうなります。案3は利便性は高くなりますが模様の複雑化が懸念ですね。ですので方針としては案1、2を実装する…」
「では、最後に案4を聞いていただけますか?」
うお、まだ1つ案があったのか。
もう案としてはこんなもんじゃないか?
「案4は…」




