第27話
プログラムの書く量によって魔法陣が異なるということがわかったので、違いを明示させる為に再度同じプログラムを記載した。
一旦、鑑定の魔法陣について現在の状況を整理しておこう。
[ 要望 ]
・1つの魔法陣で4種類の結果を出せるようにする
[ 課題 ]
・鑑定対象を指定する仕様決め
・動物、魔物に対しての鑑定検証
・鑑定の魔法陣へ変換するプログラムについて量が多くなればなるほど魔法陣の模様が複雑になる
課題の1つ目、2つ目はウィルさんとバリーさんが戻ってこないと進まないな。
3つ目についてはフリー王子に共有をしておこう。
僕はフリー王子に声がけをしてからそれぞれ紙を見せて説明をした。
「なるほどねぇ。色々と詰め込みすぎると模様の複雑化か。大規模魔法陣も柴田君が言う指定内容の確認や分岐を多用しているかもしれないねぇ。今回どれくらい複雑化するか分からないから単純なものと、使用感を考慮した複雑なモノの2種類を用意して検討しよう。」
成果品が1つ増えるがリリース後に使えないと不満が出て使用されなくなるよりマシだ。
どんなに頑張って作ったシステムも使われなくなってサービス終了となったことがあるからそれは避けたい。
より良いものを選んでもらいたいな。
「よし、書き終えた…あれ?バリーはどこにいきました?」
ウィルさんが思考の海から戻ってきたようだ。
しかし、あの紙の束について聞くのが怖い…
[コンコン]
ノックがする。
メイドがワゴンに鳥籠を乗せて部屋に入ってきた。
「バリー様からこちらへお持ちするように言われたものです。」
僕はお礼を言って鳥籠を受け取りフリー王子へ持っていった。
「ウィルさん、これから動物へ鑑定の魔法陣を発動するので記録をお願いできますか?」
ウィルさんは紙と羽ペンを持ってこちらへやってきた。
ウィルさんがくるのを見計らってフリー王子は魔法陣を発動させた。
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名前:ぴーちゃん
年齢:2
種族:鳥/ヤズー
備考:メアリー・ハワード伯爵邸の愛玩鳥
1/2
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…名前ぴーちゃんなんだ。
異世界でも命名のセンスは変わらないんだなぁ。
ウィルさんが書き終わるのを見計らって王子がスワイプした。
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所有者:メアリー・ハワード伯爵
価値:中級[銅貨20枚]
危険度:なし
希少度:2
2/2
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物質と違って希少度が追加された感じか。
元の世界でいうところの絶滅危惧種みたいなものも分かるのか。
後はバリーさんの魔物捕獲待ちだな。
「この鑑定は生物省も欲しがりそうですね、王子。」
「そうだねぇ。生物省にはこの動物のみ鑑定する魔法陣をもう渡してもいいかもしれないねぇ。」
ん?
そういえばモノに対して人間用の鑑定魔法陣を発動させたらどうなるんだ?
「あ、それは僕も気になるねぇ。このティーカップに人間用の鑑定魔法陣をかけてみようか?」
「フリー王子、それについては実験済みです。」
既に実験済みだったかぁ。
どれくらい検証したか聞いてみよう。
「ちなみにウィルさん、どのような検証をしたのでしょうか?」
ウィルさんは待っていましたとばかりに自席にある紙の束を持った。
まさか、あの紙の束全てが検証内容か?
百科事典くらい分厚いぞ…
すごい勢いで話しているが聞いた内容としてはしっかりとしたテストケースなのではないだろうか?
ウィルさん曰く
・人に対して年齢、性別別に発動させた
・複数人に向けた場合誰の鑑定結果が出るか
・人間以外に発動して鑑定結果が出るのか
結果として人以外に鑑定の魔法陣をかけても魔法陣は光るが結果は何も出なかったそうだ。
基本をしっかり押さえているから信用できる情報だ、そこら辺はさすが主席のウィルさんと言ったところか。
対象と指定が異なる鑑定の魔法陣を発動させても安全と分かったのは収穫だ。
バリーさんが捕獲する魔物はどんなモノだろうかと考えていると部屋のドアが開いた。




