第20話
あれよあれよという間に行政機関の新設が決まったり今後の方針が決まった。
フリー王子の笑顔とは対照的で伯爵様は眉間を揉んでいる。
屋敷の一室で国家機密の研究が行われる、さらには王族が屋敷に滞在するとなると警備体制や部屋割りの見直しで頭が痛いだろうなぁ。
その後アーロンさんからフリー王子の情報について口外しない旨の契約書が配られた。
署名しようとしたら『部屋割りについて早急に対応しますのでお部屋でお待ちください』と伯爵様達が部屋を出て行った。
伯爵様、大変だなぁ…
「それじゃあ署名し終わったら今わかっている情報を教えて欲しいかな。」
フリー王子が笑顔で聞いてきた。
ある程度情報は渡っているだろうから答え合わせの感覚だろうな。
ひとまず署名をしてバリーさんがまとめた資料一式を渡した。
「…簡潔にまとまっているねぇ。うーん、魔法陣によって注意事項もあるのか。魔法陣は強さや量の違いによってそれだけ魔法陣が出来るのかぁ。規格を決めて各魔法陣を数種類とした方がいいかなぁ?」
ん?
フリー王子の言葉を聞いて僕はハッとした。
そうだよな…魔法陣を出力毎に作る必要はないよな。
C言語なんだからmain関数の引数をvoidではなく引数アリにできるんじゃないかと。
試しに書いてみよう。
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#include <stdmagic.h>
int main(int argc, char const *argv[]) {
char *endptr;
long num;
if (1 < argc) {
num = strtol(argv[1], &endptr, 10);
if (*endptr == '\0' && 0 < num && num < 10) {
ice_magic((int)num);
}
}
return 0;
}
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よし、簡易的だが数値チェックもしているしgod_apiに数値以外のものを渡すことはないぞ。
安全面でも10個以上は出ないようにしているから大丈夫のはず。
後は魔法陣化をして発動出来るかどうかだ。
「柴田くん?何をして…」
言い終わる前にスキル行使をすると魔法陣に変換された。
魔法陣に触れ、数値を思い浮かべて発動すれば出力の調整が出来るかもしれない。
これは後日実験だな。
「いや、面白そうだ。今からやってみよう。」
「あの、フリー王子。スキルを使って他人の思考を読まないでいただけるとありがたいのですが…」
「何か不埒なことでも考える予定でもあるのかい?」
「そんなことはありませんが…」
「では、何も問題ないねぇ。時間の短縮にもなるからいいじゃないか。」
そう言ってフリー王子は立ち上がって部屋を出た。
バリーさんを見ると首を左右に振った、言い出したら聞かないのか…
僕とバリーさんはフリー王子の後に続いた。
再び屋敷の庭にやって来た。
「さて、先ほどの魔法陣を見せてくれるかな?」
「この魔法陣は安全かどうかわかりませんよ?」
もしかしたら既存の魔法陣であるかもしれないが初の試みだ。
いきなり王子が検証するというのは躊躇われる。
「では、私が発動をいたします。」
バリーさんは言うが結局危険なことに変わりはない。
「バリーさん、良いのですか?」
「はい、未検証の魔法陣ですので王子の安全を考えると私しかおりません。フリー王子はやると言い出したらやめないので…」
「酷いなぁ、バリー君。学院の頃はあんなに素直だったのにぃ。」
魔法学院の先輩なんだろうか?
言い方から想像するにバリーさんは振り回されたのかな?
おっと、バリーさんに魔法陣と発動時にやってもらいたいことを伝えないと。
僕は紙と発動時の注意点を伝えた。
「承知いたしました、最初にいただいた氷の魔法陣より少し複雑ですが問題ありません。魔法陣を出して触れて数字を思い浮かべて発動するのですね?」
「はい、1から9の間で思い浮かべてください。」
「ではまず、1から始めます。」
するとバリーさんは魔法陣を出し触れた。
魔法陣が光ったと思ったら氷が1個ポンっと出た。
「発動しましたね…」
「バリー君!次は7個で発動。」
フリー王子が笑顔ではなく真顔だ。
バリーさんはそれを聞き頷くと同じように魔法陣を出し触れ発動させた。
魔法陣が光るとポンっポンっとリズム良く氷が7個出てきた、それを見て昔やったメダルゲームを思い出したがとにかく成功だ。
「…出来ちゃいましたね。」
この出力を変更出来るという魔法陣は後にエンエヌ王国だけではなく他国も巻き込む大騒動になることを僕たちは思ってもみなかった…




