第16話
伯爵様との話し合いで詳細なことが決まるまではインデックス作成は中断することにした。
今日これからの予定と明日のスケジュールについて軽く打ち合わせをして伯爵様達は執務室へ帰って行った。
その為、夕食まではバリーさんと今まで一覧に書き出したものについて清書や新しく見つかった氷、保温、鑑定の魔法陣についてどのように検証すべきかテストケース作成をした。
システムではないためか、魔法陣用のテストケースを作ることに多少手間取ったが叩き台は作れた。
「柴田様、そろそろ夕食ですがいかがいたしますか?」
「もうそんな時間でしたか、今日のところは切り上げましょうか。」
「承知いたしました。…柴田様、先ほどはアーロンが失礼をいたしました。アーロンも好きで警戒をしているわけではないのですが護衛騎士として職務を全うすべく威圧的な尋問をしてしまいました。」
バリーさんは律儀だな、わざわざ言う必要ないのに。
アーロンさんの人柄はまだわからないが、あの行動で職務に忠実な人というのはわかった。
警戒をされたとしてもそこは好感が持てる。
「いえ、わかっているので大丈夫ですよ。それよりも明日は明日で検証をするので食事が済んだら体を休めましょう。」
メイドさんが食事を運んでくれたので僕たちは軽く明日のことを話しながら食事をした。
まず、氷の魔法陣について検証をする。
検証が完了したら午後イチで伯爵様に口頭で報告をする。
行動報告が済み次第、氷の魔法陣について資料作成をする。
食事が終わり、大まかな予定を確認してからバリーさんは部屋を出た。
今日も部屋の前にいるのだろうかと思いつつ眠りについた。
翌朝、メイドさんに運んでもらった朝食を済ませ予定通り氷魔法の実験をするため伯爵邸の庭に出た。
氷を1つ出す魔法陣だがどれほどの大きさかわからないのと、部屋を濡らさないように庭で検証することにしたのだ。
これは伯爵様と昨日打ち合わせで了承済みだ。
午後には一度氷魔法の成果を報告する予定となっている。
「では、バリーさん。昨日渡した魔法陣は覚えられました?」
「はい!水の魔法陣に似ているのでそこまで難しくありませんでした。」
「そうなのですね、では早速発動してみましょう。」
バリーさんが魔法陣を発動させようとした時、突如前方に眩い光が現れた。
すごい眩しいな、これ。
しばらくして、ようやく光が収まるとそこには年が若いそうで笑顔の男性が立っている。
こちらを認識すると男性は口を開いた。
「やぁ、バリーくん久しぶり。来ちゃった。」
バリーさんの知り合いか?
それにしてはバリーさん小刻みに震えているな、怖い人なのか?
突如現れたがあれはなんの魔法陣なんだろうか?
「フ、フリー王子!護衛を付けずにお一人で来られたのですか!?それに転移の魔法陣をお使いになりましたが届出はどうしたんですか!?」
「そうだよぉ。護衛がいると自由に行動できないからねぇ、久しぶりの休暇みたいなものだよぉ〜。転移の届けは父上に言っておいたから大丈夫だよぉ。」
この笑顔の男は王子だったのか…
バリーさんの反応を見る限りこの行動は初犯じゃなさそうだな、自由すぎるなこの王子。
ひとまず重要人物の来客と伯爵様に報告か?
そう思っているとフリー王子がこちらを向いた。
「貴方が召喚された方かな?私はエンエヌ王国の第4王子フリーです。しばらくこちらに滞在するのでお見知り置きを。」
え?
しばらくいるの?




