第92話
王宮へ献上することになったため、改めての検品内容や説明資料について精査することになった。
まぁ今日は夜になってしまったし、明日の朝から取り掛かれるように軽く案を考えておこう。
報告を終え明日の予定も決まったということで僕らは執務室を出て解散となった。
自室に戻った僕は検品内容や説明資料をどうするか考えながら夕食を食べた。
うーん、王宮に献上するし魔道具で出した水と氷の量、寸法だけではなく鑑定で詳細情報を確認して載せるかな?
色々と考えていると急激に眠くなってきた。
今日は懸念していた『シミ取り』の検証を無事終えることが出来た。
緊張の糸が切れたのだろうか…
無理に起きて考えるより今日は寝てしまおう。
僕は眠気に逆らわず横になり、目を瞑った。
目を覚ますと頭がスッキリしている。
すると鐘の音が聞こえる、朝になっていたか…
朝食を食べて『すぐやる課』部屋に向かおう。
今日も忙しくなりそうだ。
『すぐやる課』部屋へ向かい、部屋に入ると既に2人が作業をしていた。
「おはようございます、早いですね。」
「あ、柴田さん。今、説明書の内容について見直していたところです。この『氷水晶器』の説明書ですが魔道具の各部の名前とか操作説明の他に手入れの仕方を載せた方が良いのか迷っていまして。」
「おはようございます、柴田様。私も説明書で不十分でないかと思う説明がありまして、こちらなのですが…」
2人とも説明書についてブラッシュアップをしていたんだな。
まずは見直した結果を聞いてみよう。
まずはウィルさんの手入れの説明についてだな。
『氷水晶器』については水を出すから水垢汚れや洗浄頻度について書いた方がいいだろう。
そのあたりはマッテオさんやメイドさんが詳しいかな?
後はこの『氷水晶器』を作ったスミス親方にも注意点を聞いた方がいいな。
この事を2人に話した。
「なるほど…では後で厨房に行ってマッテオ達に意見を聞いてきます。」
「私もメイドに掃除の仕方を聞いておきます。本日の昼過ぎにスミス親方が来たら手入れの方法を聞かないといけませんね。」
「かき氷機もスミス親方に聞かないといけませんね。氷を削る刃もそうですが日頃の手入れ方法についてを。」
元いた世界の掃除の仕方がこの世界と同じとは限らないから手入れの方法の記載についてはこれで問題ないはずだ。
次はバリーさんの不十分という説明だな。
「私が『氷水晶器』の説明で不十分と思うところはここです。」
…まだ文字は読めない、説明してもらおう。
「バリーさん、すいません。まだ文字は習得していなくて、説明していただけませんか?」
「失礼いたしました。こちらにはそれぞれの魔法陣について1度の起動で水、氷はどれほど出力するのかを書いています。水の魔法陣については連続して起動すると溢れてしまいますのでその注意点を記載した方が良いと考えます。」
「そうですね…連続の使用については溢れる可能性を記載しておきますか。氷についても連続使用で溢れることを書きましょう。連続使用可能の回数についても検証しておきましょう。」
何となく使っていれば分かるだろうと言う説明は省いていたが製品の説明として必要だな。
王宮だけではなく、すべての人が安全に使用出来るために書くべきだったな…
反省しつつ他に省いたことがないか2人と話し合い、昼の鐘が鳴るかなと思った時。
コンコンッ
ドアがノックされ部屋の外から告げられた。
「スミス親方が来られました。」




