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田中 ― One-Cut-Story ―  作者: MMPP.K
7cp

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70cs 「文字の好み」

明朝体にも、たくさんの種類がありますね。

その中でも「游明朝」、「しっぽり明朝」……甲乙つけがたい……

 昔、文字は読めればいいと思っていた。


 画面に並ぶ文字。

 仕事で使う文字。


 MSゴシック。


 それが普通だった。


 文字の形なんて、気にしたことはなかった。


 太いとか。

 細いとか。


 そんな違いは、内容の前では小さなことだった。


 ある日。


 一冊の本を開いた。


 文章を読む前に、

 文字が目に入った。


「きれいだな」


 そう思った。


 それが何という書体なのかは知らなかった。


 ただ、気になった。


 それからだった。


 本屋で本を開く。

 図書館でページをめくる。


 文字を見るようになった。

 昔からたくさんの読んできた。


 なのに、今まで一度も気にしたことがなかった。


 MSゴシックは、今でも身近な文字だ。

 長い時間、一緒にいた。

 でも最近は、游明朝を見ると少し嬉しい。


 理由は分からない。


 いつから好きになったのかも分からない。


 ただ。


 気づいたら、

 好きになっていた。



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