イケメンはウッカリしてても赦される
かねてからの予定通り、貴族学園を卒業して間もなくドミニクとセリーヌの結婚式が王都の大聖堂で執り行われることになった。
新婦の控え室では侍女たちがセリーヌの化粧と着付けを早朝から頑張ってようやく整ったということでドミニクを迎え入れた。
式まであと1時間、新郎に自分たちの腕前をシッカリ見せつけてやろうという魂胆だ。
純白のウエディングドレスに身を包んだセリーヌは神々しいまでに美しかった。
「ああセリーヌ、君はとても美しいな。あ、そうだった!」
ドミニクは何を思ったか少しの間だからと侍女たちを下がらせて2人きりにしてもらった。
「今日の日に言うことではないが聞いて欲しい。
セリーヌ、私と結婚して下さい。心より愛しています。」
ドミニクは突然、セリーヌの前に跪いてプロポーズした。結婚式当日に。
「何よ今更、バカね…はい、ドミニク。私も愛しています。」
そしてセリーヌは泣き崩れた。
扉の前に控えていた侍女たちは慌てて駆け寄り、ドミニクを睨みつけて追い出した。
その後、泣き腫らした新婦のケアに2時間を要したが嬉し涙であることが判明するとドミニクは侍女たちに赦された。
国王陛下含むVIPを待たせて1時間も押した原因がウッカリ6年間もし忘れていたプロポーズだと知れ渡ると誰も怒れなかった。
結婚式当日のプロポーズは男性には揶揄われたが女性にはロマンチックだと高評価であった。
ドミニクはその日の夜からようやくプライベートを持てたのだった。
夫婦の寝室に聞き耳を立てる不届き者はいないのだから。




