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マンホールの下は異世界でした!?  作者: 氷山


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15



エレベーターが目的階に到着したことを知らせるチーンの後扉が開き、その光景に絶句する。



「…屋上?」



「俺達の部屋は…?」



想像していた屋上とはかけ離れていた。



俺達3人を取り囲むのは見渡す限りの木、花、草。屋上と言うよりは植物園だ。天井と思しき場所は屋上の名の通り吹き抜けだった。



…まぁ、見えるのは天窓付きの更なる天井だから実際は屋内なんだけど。



エレベーターから数中メートル先の平屋までを道案内するように意図を持って点在する古風な平たい石を辿り、涼が持っていた鍵で戸を開けた。



靴は玄関で脱いで上がるスタイルのようで従い、伸びる廊下に幾つかあるドアの先ずは左側の1番手前を開けてみる。



「おおッ!広いじゃん!隠れんぼ出来そう…」



「…すんなよ」



涼は呆れたため息を吐きながら、20畳は余裕でありそうなリビングの中心に堂々と備えられたテーブルの椅子を引き座る。



俺はその正面へ、その隣へマクアン神父が座り、連日の溜まっていた疲労を落ち着けようと背もたれに上半身の体重を預けた。



「「「…………」」」



暫しの沈黙。



その間俺が考えるのは、背もたれに背を預け天井を仰ぎ見た際のシャンデリアな照明への感嘆でも、テーブルの上に置かれた涼の借りて来た本の内容でも、この豪華過ぎる寮部屋の残りのドアの先の探検でもない。



「あのさぁマクアン神父さん。…あんた何者ですか?」



「質問の意味が解りかねますが…?」



暗い褐色色のクッション材の付いた椅子の背もたれに一切甘える事なく、小首を傾げ俺を無表情で見ているマクアン神父。



解りかねてる訳ねぇだろッ!明らかに小窓の妖精に余計な事は言うなと言わんばかりに、睨み利かせて圧かけてたじゃねぇかッ!!



人の素性には興味ありありのクセに、自分の正体はすっとぼけ故意に隠そうとするマクアン神父に痺れを切らし、問い詰めようと声を発しようとした矢先、正面に座る涼の声が静かにピリつく空気を切る。



「…お前は、俺らの敵か?」



涼の静かな威圧が広い部屋の隅々まで行き渡る。俺の注意した通り、警戒心を斜め向かいに座るマクアン神父目掛けフルに放射する涼の殺気に身震いする。



俺に普段向ける殺気とは比べ物にならねぇ…。



リビングで隠れんぼと鬼ごっこを合算した遊び、隠れ鬼を一緒にする計画を練っていたんだが…辞めておこう。



「まぁそうですね。味方…ではありません。特にリョウさん、貴方とはね」



涼の敵意の睨みを真正面から受け止め!淡々と告げるマクアン神父。



マクアン神父の宣誓を聞き、涼の吊り上がっていた眉を益々吊り上げる。それに比例し部屋の温度がどんどんと下がっていく。



俺、他の部屋の探索に行ってもいいかな…?



廊下から見ただけだと少なくともあと3部屋はありそうなんだけど…。元気さん推しの2段ベッド見に行きたいなぁ、なんて。



俺がこの凍てついた空間から逃げ出そうとしているのを察知されたのか、眼はマクアン神父を捉えたまま、威圧感を俺に向けてくる涼。



…どうやらこの部屋からは離脱出来そうもない。知らぬ間に魔空間へ取り込まれてしまったようだ。



上げかけていた腰を元の場所に落ち着け、気配を消し成り行きを見守ることにする。



俺はまだ死ねない。トレヘルに残したところてんを口にするまではッ!!



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