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毎日様子観に行くからな、とオウジとヒメ、元気さんそれぞれに違うニュアンスに聞こえる挨拶を残し、俺達2人だけで学園長室を出た。
次の目的地は?なんて涼にわざわざ聞かなくても分かる。次は勿論…
「俺達の安息地、寮だッ!やっと休めるーッ!」
「…んな訳ねぇだろ。この学園に来た目的忘れたのか…勉強だ。図書室行くぞ」
もうやだこの人…。体力オバケ。
俺は4日間走り通しの雑草共からの嫌がらせ生活だったんだよ。疲れてんだよ。今の俺なら24時間睡眠をとり続けられる自信がある。1度も起きずに。
あと、誰にも邪魔されることなくトイレに行きたい。久しぶりに襲撃される心配のない個室で。
「涼。俺はトイレへ行く。寮の自室の個室で洋式のトイレへ行く…これだけは譲れねぇッ!!」
「……勝手に行け」
とても冷たいお目目で見られたが、今の俺はそんなことじゃ動じねぇッ。俺は行くんだ…トイレへッ!
涼と一緒にそのままエレベーターで1階まで降り、俺を受付のお姉さんに引き渡すと自分は受付カウンターを左へ曲がり通路へと消えていった。
寮の自室から出るなよ、とドスの効いた声で俺を威すのを忘れずに…。
俺そんなに信用ねぇの…?用もねぇのに知らねぇ場所ほいほい出歩くわけねぇだろッ!
「じゃ、寮まで案内よろしくお願いしますッ!」
カウンターの下へ隠れ、目だけで俺達のやり取りを観ていたお姉さんへと声をかける。まさか自分に話が飛び火すると思っていなかったようで
「えっわ、わたしっ…?わたしですか!?いや私はそのっこのカウンターを守るのが仕事で…」
と、あいも変わらずオドオドと俺を案内する役目を放棄しようと必死に言い訳を考えている。だが俺も寮までは意地でも連れてってもらわないと困る。
…方向音痴だからなッ!!
自慢じゃないが今から元気さんのいる学園長室にだって行けない。気持ちの悪いエレベーターに乗ったことは覚えているが、何階か忘れた。
「はいはい。転入生の寮への案内も立派な受付嬢の仕事だから。ってか、お願いしますお姉さんッ!俺を1人にしないでッ!!」
「はぃぃっ…!」
「分かればよろしい。じゃしゅっぱーつッ!」
俺の必死の形相に只事じゃないと感じてくれたようで、恐々とカウンター下から出て受付の外へやっと出て来てくれた。
背中を丸めてはいるものの明らかに俺より小さい。…なんか上手く言えないけどいいなぁ。最近は俺より大きいのしか近くに居なかったから凄く、自信が出てきたッ!
今なら絶対に迷わない!迷うはずがない!こんな可愛い子連れて迷うなんてある訳ないッ!
「さぁいざ行かん、安息の地へッ!!…キラン」
「え、あのちがっ…きゃあああぁぁっ!!」
お姉さんの手を取り、校舎の外へと繋がる扉を抜け左側へと走る。さっき右側に行った時にはボロ小屋と裏庭しか無く、寮らしき建物は見当たらなかった。
…ならば、正解はこっちで間違いねぇ!!
1発で寮へと辿り着き、この受付のお姉さんに俺のカッコイイとこ魅せてやる!




