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マンホールの下は異世界でした!?  作者: 氷山


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3



流石に寂しくなって来た。



オウジから降りてすぐに疲労で倒れ込んだ俺だったが目の前で繰り広げられるイチャイチャタイムを見せつけられ、気分が落ち込んでくる。



動物愛を多分に溢れてさせている涼は幸せそうで凄く魅力的だとは思う。ただそこに人間も…俺もちゃんと入ってる?人間も俺も…動物だぞ?



愛が…愛が足りないッ!!



「なぁ涼。約束…」



「…ちゃんと覚えてる。美味い物、食うんだろ?」



「りょおうぅ…!!」



単純な俺は一瞬で気持ちが急浮上した。



愛は…愛はここにあるッ!!



多少回復した体力を使い起き上がり、その勢いのまま涼に抱き着こうとするも、気配を察知され避けられる。その素早い身のこなしに対応出来なかった俺ががっしりと熱い抱擁を交わしたのは…



「…待てッ誤解だーッテエ!!グエェ…ッ」



涼の肩から落ちそうになってた雑草B、リーフ。猫じゃらしのような可愛らしい見た目に反して、そこはかとない殺気を感じる。



そして容姿無く飛んで来る近距離からの種子のち、まるでマフラーのように首に絡み付き、絞めてくる。



ってか、何でお前が怒ってんの!?好き好んで抱き付いてる訳じゃねぇよ!俺だってお前らと抱擁なんて頼まれたってお断りだッ!!



「ギブ…ギブゥ…ッ」



「…リーフ離してやれ」



「ーッハァッ死ぬかと思った……」



涼の言葉に素直に従い首への絞首を止めてするりと俺を伝って地面に降り立ち、その足で涼の体をかけ上がる。



そしてまるで褒めて、と甘えるように涼の頬をご自慢のふわふわ猫じゃらしの顔面でふわふわしている。



…馬のエサにすんぞッ!!



甘えてくるリーフに情が湧いたのか、リーフのふわふわをふわふわ仕返してあげている涼を横目に心の底から沸く苛立ちを心内に押し込め、今は穏やかになったオウジの元へ行き、ブルルッルルと慰めてもらった。



やっぱり俺の味方はお前だけだよ、オウジ。



オウジに慰めてもらいながら10分。心身共に回復した俺は、涼の行くぞ、の声を合図に愛馬によじ登り跨った。



「…先ずはお前との約束を果たしに行く」



「りょおぅぅッ…!」



「さっきお前が蹴散らしたヤツらの追っ手が来るかもしれねぇ…急ぐぞ」



と言いながらも大して急いでいないのか、ゆっくりとした動作でヒメに跨る。雑草共も同じようにヒメに登り、涼の胸ポケットへと潜って行った。きっとまたミントの待受を占領しに行ったのだろう。



一生ミントの中に閉じ籠ってろ、と心の中で悪態をつき、駆け出したヒメの後をオウジが追いかけて走り出した。



目的地は相変わらず分からないが、目的は解っている。弾む胸をそのままに、これから待つ美味しい異世界飯に思考を全集中しながら手綱を握り込む。



強く…強く……オウジに振り落とされないように。



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