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「あの、仲直りしたのは良いんだけど。とりあえず…何してくれてんの?」
池の中から緑の藻を纏い、頭に平たい葉を乗せている姿はさながらカッパ。なんて軽口は(笑)を完全に捨てたおっさんには通じそうにない。
でも、涼はともかく、俺被害者なんだけど?おっさんに騙されて池に自ら飛び込んだか、放水に跳ね飛ばされて落水したかの違いだろ…。
何をそんなに怒ってるんだか。
「君がホース引き抜いて水噴き上げてるその機械、弁償してもらうからね」
「…へ?べ、べんしょー?」
「…あ、やべ。忘れてた」
「「…金がねぇ」」
そうだった。俺達一銭も持ち歩いてない分際で、離れの馬達と俺たち2人の部屋を借り、尚且つ無駄にゴツい謎マシン壊しちゃ…った?
「金が…ない?(笑)」
「「…すみません」」
「金が…ないって?(笑)」
「「…申し訳ありません」」
同じ(笑)でもこんなに印象変わるのな。とにかく…(笑)こえぇぇえ……
おっさんの恐ろしい形相も相まって俺達は、全裸とほぼ全裸という形で並び、謝ることしか出来ない。
宿屋に入って部屋に案内されるまでのあの朗らかな人柄の案内人さんは何処へ旅立ったのか…って、死の池の底か…。
「…はぁ、今日はもう遅い時間だし部屋に戻っていいよ。…明日の朝、話があるから覚悟しといて」
「「はい…」」
本当のこの宿のお風呂は宿屋内の1階にあるらしく、裏口に畳んで置いておいた制服を回収し、機嫌の悪いおっさんと俺、涼の3人きりで全員押し黙ったままの入浴となった。
気まずい風呂を早々に上がり、早々に部屋に引っ込んだ俺達は各自決めたベッドへと入る。
とりあえず当初の目的、風呂に入って涼に菌扱いされないようになる、は果たせたから良かった…のか?
何か色々と腑に落ちない部分が多く、布団の中で寝返りを繰り返しながら悶々と考えていると、眠れないのは涼も同じだったらしく、右側のベッドから優也、と声をかけてきた。
何?と涼の方へと寝返りを打ち、返事をすると両手を頭の下で組み、天井を真剣な顔で見る涼の横顔が視界に入る。
窓から差す月明かりに照らされて整った顔が神々しく輝いて見える。…ムカつく。
そういえばここはマンホールの中で、太陽は擬似だったし、星や涼を腹立つ程美しく着飾っている月も擬似なのだろうか?
「千紗から貰った物ってどうした?」
「ん?なにそ…ああッ!!」
思い出したッ!商会出る時、受け取ってた!受け取ってたよ俺…完全に忘れてた。部屋の窓際の椅子に掛けておいた、俺の上着のポケットを漁るためにベッドから飛び出る。
今のこの状況を打破出来る物がはいってるかもしれねぇ!頼むぞ…千紗ッ!
金目のものとか…現金とか…!




