↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンホールの下は異世界でした!?  作者: 氷山


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/46

6



とにかく、これで本当に無銭飲食誤魔化し逃亡作戦、成功だなッ!完全犯罪、ここに成立したりッ!



「してねぇよ、食い逃げ」



「…どゆこと?」



「俺の予測ならもうすぐ…」



ドンドンッ!!ドンッ!!!



この広い豪邸に響く乱暴なノック音。そして聞き覚えのあるあの語尾のくせ。



「こんにちは〜ぁ!店長の代わりに集金に来ました〜ぁ」



「…ほら来た」



「げッ…この語尾のイントネーション…やばいじゃん!あの店の店員だ」



潜伏場所が直ぐに割れてるのを鑑みるに…



「俺達尾行されてたんだよ、涼。きっと涼の肉体美に引き寄せられた危険なファンだ…また逃げる?」



涼も体力回復したようだし、さっき俺走ってないし逃げるなら今しかないと思うんだよ、うん。



今からどう頑張ったって今すぐお金が湧いて出る訳でもないしここは…謝罪しつつ逃げよう。特技だよ?真心込めた風の謝罪。



「…逃げるのは後だ。先ずは頭下げんぞ」



涼が当たり前のように思考を読んでることは置いておきつつ、やっぱりそうだよな。悪いことをした時は日本人なら潔く謝罪して、後払いが駄目なら出来ればもう2度と見たくなかったが食べた料金分あのチョコフォンデュ店で労働するしかないか…。



…今の俺達にのんびりバイトしてる時間なんてないが、捕まってノリスティン女王に見守られながらキモうさ兵士に人生終了させられるよりはマシか。



分かったよ涼。



「涼、俺に善心を取り戻させてありがとうな…俺、行って来るッ!ーっいてぇッ!!!」



親指を立て涼に礼を言うと急いで応接室を出て行こう…としたが、涼に先回りされ今まさに抜けようとした扉を勢いよく閉められる。



そして無駄に頑丈な応接室の扉に顔面をしこたま打ちつけた。そのあまりの痛みに顔面を両の手で抑えその場に蹲った。



「何処行く気だ、馬鹿!頭下げんのは千紗の親父にだよ!」



「「…へ?何で?」」



千紗父と声が被った。ほらみろ。身に覚えないってよ千紗父。



顔を抑えたまま涼を指の隙間から見上げる。



俺の行動を次は事前に止められた安堵感からか少しホッとしたような顔の涼と目があった。



何その顔…なんか腹立つな……!顔面打たれた恨みも相まってッ!



「店員に渡しただろ?メモ」



メモ?と思い出そうとして思い当たることが1つ。



店を出る直前高速で書いて渡していた紙。そういえばそんな物渡してたな。



「あの騒動の中よくラブレターなんて渡そうと思ったよな。俺びっくりしたんだからなッ!」



「…お前のその頭の中の方がびっくりだ」



「なにおうぅ!?」



あの店員に『支払いはチサッとタイキ商会まで』と書いた紙を押しつけてきたらしい。さらっと涼に説明されたが商会名が気になりすぎて殆ど頭に入って来なかったがとりあえず頷いた。



そんな俺を察したのか、もういいから黙って隣で頭下げてろと言われ、とりあえず涼の隣に並んで一緒に千紗父へと頭を下げた。



「お金貸してください」



ああ!なるほど!そういうことかッ!



やっと理解した。千紗父って一応この商会の会長さんでお金はこの豪邸を見て分かる通り持ってるだろうしな。



さっすが涼!



「チョコフォンデュ2人分の代金、お願いしますッ!今玄関に取り立てがッ」



涼と2人、何がなんだかと動揺している千紗父に頭を下げ続けた。



「と、とにかく2人とも顔上げて?分かった、わかったから!!チョコフォンデュだね!?」



わたわたと焦りながら、焦げて湿った重厚なデスクから色々な書類をぶち撒けながらお金の入った巾着のような物を手に取り慌てて玄関へと向かって行った。



その後を追おうとする俺の肩を後ろから掴み、ゆっくりと横に首を振る涼。



「俺達は…このまま逃げるぞ」



「え!?」



このままって…このまま??



涼と俺が食い散らした代金を払わせに行かせた千紗父放っといて、このまま??



どうしちゃったの涼ッ?!日本の心は?!さっき俺に取り戻させてくれたじゃんッ!



混乱する俺に涼はただ真剣な顔でこちらを真っ直ぐ見る。



「…行くぞ」



それだけ言うと俺の手を取り足早に応接室を出た。



廊下で千紗に落ち着いたら見て、と白い便箋に入った何かを渡され、了承の意の敬礼を返してありがとうッ!と半ば引きづられながらも伝えたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。