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「いらっしゃいませぇ〜ん♡」
「い、いらっしゃいました」
「あんらぁ、かんわいぃ♡た・べ・ちゃ・い・た・い♡」
…悪魔だ。青髭の悪魔だ。
悪魔召喚の呪文はマジだった。
もう2度とあの呪文は使いません、永遠に!!
「あんたがマスター?」
この悪夢的光景を前にしても涼は通常運転のようです。はい。
「そうよぉ♡ひ・ろ・こ♡って呼んでちょうだい♡」
「……素性は割れてる、浩。例の物出せ」
「ひろこ!その名は捨てたのよ!…ったく、誰よ乙女の秘密を無遠慮に垂れ流してる奴は」
「14時22分城門警備、右側のうさぎ」
赤いくせ毛ロングを人差しでくるくると不機嫌そうに弄るのを止め、これまた真っ赤な唇をにんまりと歪めるひろこ…もとい浩。
「……やるじゃない♡たっぷりサービスさせてもらうわっ♡裏に来なさい♡」
「ほら、VIPサービス受けてこい優也。…生きて帰って来いよ」
「こんの裏切りものぉぉおお…!!!」
クツクツと楽しそうに笑う涼に呆れ顔の千紗、憐れみの目を向けて来る平喜。
俺の悲痛の叫びはピンクでギラギラとデコられた扉に完全にシャットアウトされた。
「どう?可愛い??」
「…まぁまぁだな」
左目を隠していた髪は小さくチョンマゲにされて頭上で固定され、その両サイドに黒い猫耳が飾られている。
そして黒い尻尾付きの何故かメイド服。おまけに頬に猫ヒゲまで……粘着質な物体で念入りにつけられた。
……後でちゃんと取れるんだろうな…?
「んなことより、左目…どうした?」
「優也って元からこんなのじゃなかったの?」
「え!?俺の左目ちゃんどうしちゃってんの!?」
まさか猫コスプレさせられたんで目まで猫化した!?
瞳孔開閉しまくってるとか!?
「……赤くなってんぞ」
「え、マジで!?結膜炎!?うっそ、この世界って抗菌目薬とかあんのかな…」
「目だけは清潔にしとかないと駄目よ」
あのブリブリの青髭、さては謎の粘着物体付いた手で俺の目触りやがったなッ!!
「多分違う、黒目のところだけだし。優也、カラコンでも入れてんの?」
「やってないッ!入れてないッ!」
目に異物いれんのなんか怖いし。目薬すら嫌。
でも、目が赤くなってるのって少なくとも正常ではないし…失明の危機?!
死刑免れた?と思ったら次は片目失明!?
なーんかマンホール落ちてから良いことねぇーッ!!
…マンホール出たら眼科とお祓い行こ。
あ、精神科もだったっけ。




