↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お母さん転生する  作者: 大島Q太
領地子育て編
PR
41/69

17.お母さん、ソフィアとお出かけ

 


 会議も終わり、皆自室に戻っていきました。


 ローランは扉の前に立ってこちらを見ています。

「お母様、明日の予定は?」

「今日は畑を見たでしょう。ですから明日は村を回ろうと思っていますが、ローランはお留守番。机に向かって勉強してください」

 あら、不満そうに顔を背けました。ついてきたかったみたいね。

「あなたはほんとうに頼りになるわ。だけど明日は家庭を回ろうかと思っているの。あなたみたいなかっこいい子が現れたら、皆舞い上がっちゃう」

 ローランは小さくうなずきます。

「明日は、ソフィアを連れていくわ」

「ソフィアをですか?」

「あの子にも学ぶべきことがあります」

「分かりました。失礼します」

 ローランは部屋を出ていきました。


 本当にしっかりしてるわ。大人すぎるのがちょっと心配だけどね。

 うちの直樹とは大違い。三十八歳になってもいまだにお嫁さんの愛子さんだよりで、一人で何もできないのよ。あの子が十二歳の頃なんて……、滑り台でズボンに穴を開けてたわ。

 いつまでも子ども扱いしてしまってうっとおしがられてしまって、お嫁さんに迷惑を掛けちゃった。


『よしこさん……ローランをよく見てくれてありがとう』

 どういたしまして、あなたたちはよく似ているから頑張りすぎちゃうのね。

 とっても頼りになるわ。


 そして、小さくあくびをしました、夜はどこにいても静かです。



 * * * *


「ソフィア、今日はお母様とお出かけしましょう」

 朝食の席でそう切り出しました。マーリンがにらんでいますが気にしません。

「おでかけですか?」

 視線をマーリンに向けようとしました。

「ソフィア、あなたが考えて。お母様とおでかけしたくない?」

「……したいです」

 まっすぐと視線が返ってきました。

「じゃあ、決まりね。マーリン、汚れてもいい服に着替えさせて」

「……はい、奥様。わたしも」

「あなたはお留守番」

 マーリンの顔がかげりました。

「マーリンはマリークの手伝いをお願い。今日は重要な任務を与えているの」

 マーリンは戸惑った顔で、ソフィアをみつめます。きっと、ソフィアがマーリンと行きたいと言ってくれないかと期待しているのでしょう。

 ですが、ソフィアはもう目の前のご飯に夢中です。

 あきらめてうつむいてしまいました。


 食事を終わらせ、玄関で待っているとソフィアが準備を済ませて現れました。

「奥様、わたしもついていきます。ソフィア様が……」

 マーリンが申し出ます。

「いいえ、あなたはここに残って、マリークの手伝いをお願いします」

「わたしに娘との時間をもらえないかしら」

 マーリンはスカートをぎゅっと握ってうつむきました。わたしはそれを了承と受け取って、ソフィアの手を握ります。


「では行ってきます」


 マーリンの後ろには、ローランも立っていました。

 見送ってくれるようです。外はとびっきりの晴れた空、お出かけ日和です。


「ソフィア、帽子をしっかり被ってね。暑かったらちゃんと言うのよ」

「はい!」

 ソフィアは振り返ると、無邪気に皆に手を振りました。


 マーリンは視線を鋭くこちらを見ていました。

 ちょっとやりすぎたかしら?

『いいえ、大丈夫よ、ありがとう。よしこさん』



 * * * *


 わたしも王都で活躍した灰色のワンピースに生成りのエプロンです。ソフィアもそれに合わせて、綿のワンピースにサンボンネット。

 今日は昨日とは違う村に行きます。さすがに、昨日の村は顔を覚えられていそうなので。

 ソフィアは馬車に揺られるのも楽しそうです。よかった、わたしといることを楽しんでくれているみたい。

 到着した村の外に馬車留めがあったので、そこに荷馬車を置いて村の中を歩きます。


 建物は十軒ほど、同じような形が並びます。村には広場と公民館兼教会があるようですね。これがリースマン領の一般的な村のようです。川が長雨のたびに形を変えるせいで大きな集落はないそうです。

『家は移動できる作りになっていて、壁や屋根を板に戻して、運べるようになっているのよ』

 アリシアさんが教えてくれました。なるほど、生活の知恵ですね。

 女性が集まる場所と言えば、井戸です。井戸端会議なんて言葉もあるくらいですから。

 ああ、でもこの緊張感、児童館デビューをした時を思い出します。ママ友できるかな? なんてドキドキしながら通いました。


 いました、第一奥様発見です。


 どうしましょう、ほんと。ソフィアの手を握りました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。